講演情報
[P3-02]行為間比較による生活期脳梗塞患者の歩行制御改善:両側軽度片麻痺の一症例
*森木 良平1、鶴埜 益巳2,3 (1. 脳梗塞リハビリセンター訪問、2. 脳梗塞リハビリセンター、3. 東京有明医療大学)
【はじめに】
今回,2度の脳梗塞で両側軽度片麻痺を有し,発症後数年かけて歩行障害の増悪を認めた症例に対して,行為間比較を実施して改善を認めた内容について報告する.
【症例紹介】
症例は70歳代の男性で,X年に左,X+1年に右に脳梗塞を発症し,2度とも回復期病棟に入院せず,自宅退院し,介護保険の利用なく,自立した日常生活を行っていた.その後,屋外歩行の耐久性低下,また屋内で転倒するようになり,その改善希望によりX+3年Y月より当社の介入を開始した.
【病態解釈】
初期評価では,著明な運動障害や感覚障害を認めないものの,歩行や立ち上がりで全身を固めて実施し,スピードの遅延や動きにくさに関する一人称観察を認めた.そのため,その詳細の確認で,「思ったように身体がいうことをきかない」,「頑張らないと動けない」と回答し,漠然とした努力的活動での運動戦略とその継続によって,力みによる運動制御へと徐々に誤学習が生じたと考えられた.病前の歩行,もしくは全身の活動で努力が必要だったかとの問いに,社交ダンスの軽いステップで足底の重心移動が重要との意識経験を見出し,それを活用した行為間比較によってスムーズな歩行が即時的に可能となり,またその自覚を本人にも認めた.ただ,次回にその定着は不十分だったため,病後の残存した中枢神経系での運動制御の必要性の理解を含めたアプローチが必要と考えた.
【治療アプローチおよび経過】
その後,病後に活用可能な病前の意識経験として,社交ダンスのステップや登山,不整地歩行での足底荷重とバランス制御に関する経験について本人と共有でき,それらを活用して行為間比較を実施して意識的な努力に基づかない立位バランス,片脚立位バランス,歩行の実用的な運動制御へと段階的に運動学習を進めた.週2回,2か月間の実施により,1km以上の屋外歩行の自力歩行が可能となった.
【考察】
行為間比較の実施において,2012年にPerfettiは,あくまで学習者本人が改善する行為(テーマ)とその関連性を有する行為について,病後の運動学習の必要に応じて整理し,アライメントされることの重要性を説いた.今回の症例はその心的作業の重要性を理解して,自身で実施できたことが改善につながったと考えられた.
【倫理的配慮,説明と同意】
本発表に関する説明を本症例に対し書面にて行い同意を得た.
今回,2度の脳梗塞で両側軽度片麻痺を有し,発症後数年かけて歩行障害の増悪を認めた症例に対して,行為間比較を実施して改善を認めた内容について報告する.
【症例紹介】
症例は70歳代の男性で,X年に左,X+1年に右に脳梗塞を発症し,2度とも回復期病棟に入院せず,自宅退院し,介護保険の利用なく,自立した日常生活を行っていた.その後,屋外歩行の耐久性低下,また屋内で転倒するようになり,その改善希望によりX+3年Y月より当社の介入を開始した.
【病態解釈】
初期評価では,著明な運動障害や感覚障害を認めないものの,歩行や立ち上がりで全身を固めて実施し,スピードの遅延や動きにくさに関する一人称観察を認めた.そのため,その詳細の確認で,「思ったように身体がいうことをきかない」,「頑張らないと動けない」と回答し,漠然とした努力的活動での運動戦略とその継続によって,力みによる運動制御へと徐々に誤学習が生じたと考えられた.病前の歩行,もしくは全身の活動で努力が必要だったかとの問いに,社交ダンスの軽いステップで足底の重心移動が重要との意識経験を見出し,それを活用した行為間比較によってスムーズな歩行が即時的に可能となり,またその自覚を本人にも認めた.ただ,次回にその定着は不十分だったため,病後の残存した中枢神経系での運動制御の必要性の理解を含めたアプローチが必要と考えた.
【治療アプローチおよび経過】
その後,病後に活用可能な病前の意識経験として,社交ダンスのステップや登山,不整地歩行での足底荷重とバランス制御に関する経験について本人と共有でき,それらを活用して行為間比較を実施して意識的な努力に基づかない立位バランス,片脚立位バランス,歩行の実用的な運動制御へと段階的に運動学習を進めた.週2回,2か月間の実施により,1km以上の屋外歩行の自力歩行が可能となった.
【考察】
行為間比較の実施において,2012年にPerfettiは,あくまで学習者本人が改善する行為(テーマ)とその関連性を有する行為について,病後の運動学習の必要に応じて整理し,アライメントされることの重要性を説いた.今回の症例はその心的作業の重要性を理解して,自身で実施できたことが改善につながったと考えられた.
【倫理的配慮,説明と同意】
本発表に関する説明を本症例に対し書面にて行い同意を得た.
