講演情報
[P3-08]神経障害性疼痛を認めた慢性期左被殻出血症例の歩行改善に向けた治療経過
*岩田 有希保1 (1. 医療法人 西山記念会 MIRAI病院)
【はじめに】
今回,神経障害性疼痛が見られた症例に対して介入した結果,異常感覚の軽減及び疼痛緩和と歩行動作が改善した経過を報告する.
【症例紹介】
3年前に左被殻出血右片麻痺を呈した80代女性.右下肢の異常感覚により日常生活に支障をきたし当院に入院となる.右下肢の身体機能はBRS :Ⅴ(10),FMA:31/34点.右下肢の強い痺れや疼痛を訴え,特に荷重時に増悪がみられた.表在覚は重度鈍麻,深部覚は中等度鈍麻であった.歩行は初期接地がみられず足底全面接地となり立脚期の短縮を認めた.「右足の痺れが強くなるため小股で早足になる」と痺れに対する恐怖感の訴えや回避行動がみられた.
【病態解釈・治療仮説】
本症例は,痺れによる不快感に注意が向くことで本来の感覚機能に注意が向かず,情報の不整合が生じた.また,恐怖や不安といった情動的側面の影響により,疼痛が慢性化したと考えた.その為,体性感覚に注意を向け,知覚することで感覚情報の不一致が修正され,疼痛軽減に繋がると考えた.
【治療アプローチ及び経過観察】
3種類の絨毯を使用した表面性状課題を実施し,足底の体性感覚に注意を向けるよう促した.また,立位にてボールタッチや保持を行い,健側と比較,以前の動作との比較を行った.「動作時の各関節はどうなっているか,タッチする場合と保持する場合どこに力を入れているか」「以前はどのように動かせていたか」と問いかけ健側と各関節の知覚や過去の動作の比較を行い,予測と感覚情報の不一致を修正した.
【結果】
約2週間後の評価として,右下肢BRS :Ⅴ(10)→Ⅵ(12),FMA :31→32/34点へ向上し,知覚において表在・深部覚ともに軽度鈍麻へと改善した.また,荷重時の痺れは軽減し,右下肢の知覚に注意が向き「足が軽くなった.痺れや痛みが減り,踵から着いている」と変化が見られ疼痛軽減を認めた.歩行は初期接地が行え,立脚期の延長を認めた.
【考察】
改善した要因として,表面性状課題により痺れから体性感覚に注意が移行したことで,運動予測と感覚モダリティ間の情報の誤差が少なくなり,感覚機能の向上及び疼痛が軽減したと考える.また行為間比較を通じて,身体表象の変質が改善され,疼痛の軽減と,運動時に見られた差異の認識と修正が可能となり,歩容の改善に繋がったと考えた.
【倫理的配慮,説明と同意】
対象者から発表について説明し同意を得た.
今回,神経障害性疼痛が見られた症例に対して介入した結果,異常感覚の軽減及び疼痛緩和と歩行動作が改善した経過を報告する.
【症例紹介】
3年前に左被殻出血右片麻痺を呈した80代女性.右下肢の異常感覚により日常生活に支障をきたし当院に入院となる.右下肢の身体機能はBRS :Ⅴ(10),FMA:31/34点.右下肢の強い痺れや疼痛を訴え,特に荷重時に増悪がみられた.表在覚は重度鈍麻,深部覚は中等度鈍麻であった.歩行は初期接地がみられず足底全面接地となり立脚期の短縮を認めた.「右足の痺れが強くなるため小股で早足になる」と痺れに対する恐怖感の訴えや回避行動がみられた.
【病態解釈・治療仮説】
本症例は,痺れによる不快感に注意が向くことで本来の感覚機能に注意が向かず,情報の不整合が生じた.また,恐怖や不安といった情動的側面の影響により,疼痛が慢性化したと考えた.その為,体性感覚に注意を向け,知覚することで感覚情報の不一致が修正され,疼痛軽減に繋がると考えた.
【治療アプローチ及び経過観察】
3種類の絨毯を使用した表面性状課題を実施し,足底の体性感覚に注意を向けるよう促した.また,立位にてボールタッチや保持を行い,健側と比較,以前の動作との比較を行った.「動作時の各関節はどうなっているか,タッチする場合と保持する場合どこに力を入れているか」「以前はどのように動かせていたか」と問いかけ健側と各関節の知覚や過去の動作の比較を行い,予測と感覚情報の不一致を修正した.
【結果】
約2週間後の評価として,右下肢BRS :Ⅴ(10)→Ⅵ(12),FMA :31→32/34点へ向上し,知覚において表在・深部覚ともに軽度鈍麻へと改善した.また,荷重時の痺れは軽減し,右下肢の知覚に注意が向き「足が軽くなった.痺れや痛みが減り,踵から着いている」と変化が見られ疼痛軽減を認めた.歩行は初期接地が行え,立脚期の延長を認めた.
【考察】
改善した要因として,表面性状課題により痺れから体性感覚に注意が移行したことで,運動予測と感覚モダリティ間の情報の誤差が少なくなり,感覚機能の向上及び疼痛が軽減したと考える.また行為間比較を通じて,身体表象の変質が改善され,疼痛の軽減と,運動時に見られた差異の認識と修正が可能となり,歩容の改善に繋がったと考えた.
【倫理的配慮,説明と同意】
対象者から発表について説明し同意を得た.
