講演情報
[P3-13]すくみ足のあるパーキンソン病者に対して覚醒度を考慮した介入に異なる反応を示した2症例
*三上 恭平1、加茂 力2 (1. 登戸内科・脳神経クリニック リハビリテーション科、2. 登戸内科・脳神経クリニック 脳神経内科)
はじめに
パーキンソン病者 (PwP)のすくみ足 (FoG)には,進行に伴い代償的経路を含む広範な神経領域が関与する (Gilat M.2021).近年,PwPのFoGには覚醒度 (Arousal)も影響することが報告されている (Tosserams A.2023).本報告では覚醒度を考慮した解釈と介入に対して,異なる反応を示した2症例を報告する.
症例紹介と評価
2症例ともHoehn and Yahr Stage4である.症例1は,60歳代男性で罹病期間は8年,車いすを併用していた.日常生活でのFoGはMDS UPDRS PartII2.13で4点,評価時のFoGはPartIII3.11で4点と重症だった.覚醒は良好で,日中の眠気はPartI1.8で0点と正常であった.動作性急があり,脈拍は97bpmだった.Time up and go test (TUG.歩行車使用)は,FoGが顕著で1回目4分30秒,2回目6分48秒であった.症例2は,70歳代男性で罹病期間は9年である.FoGは,MDS UPDRS PartII2.13,PartIII3.11ともに3点であった.日中過眠による覚醒低下によりすぐに閉眼し,PartI1.8は4点,脈拍は72bpmだった.TUGはFoGがあり1回目15.2秒,2回目17.6秒であった.
病態解釈と介入および経過
症例1は覚醒度が過剰と判断し,深呼吸によるリラクゼーションを実施した.脈拍は66bpmに低下し,FoGが軽減した.TUGも1回目1分34秒,2回目1分46秒に改善した.一方症例2は,覚醒度が低下していると判断し,全身運動を実施した.脈拍は93bpmまで上昇し,声掛けなしでも開眼可能となったが,FoGが増悪し,TUGは1回目29.5秒,2回目35.2秒に悪化した.
考察
症例1では覚醒度の抑制がFoGの軽減に有効であったが,症例2では覚醒度の上昇がFoGの増悪につながった.症例2は覚醒度が低下していると判断したが,脈拍は正常レベルに保たれており,介入により覚醒度が過剰になった可能性がある.覚醒度は,低すぎても高すぎてもパフォーマンスが低下するため (Yerkes RM.1908),認知神経リハビリテーションを実施する際にも適切な調整が必要だが,その解釈と調整には注意が必要である.
説明と同意
発表に際し,臨床データの使用について書面にて説明し,署名にて同意を得た.
パーキンソン病者 (PwP)のすくみ足 (FoG)には,進行に伴い代償的経路を含む広範な神経領域が関与する (Gilat M.2021).近年,PwPのFoGには覚醒度 (Arousal)も影響することが報告されている (Tosserams A.2023).本報告では覚醒度を考慮した解釈と介入に対して,異なる反応を示した2症例を報告する.
症例紹介と評価
2症例ともHoehn and Yahr Stage4である.症例1は,60歳代男性で罹病期間は8年,車いすを併用していた.日常生活でのFoGはMDS UPDRS PartII2.13で4点,評価時のFoGはPartIII3.11で4点と重症だった.覚醒は良好で,日中の眠気はPartI1.8で0点と正常であった.動作性急があり,脈拍は97bpmだった.Time up and go test (TUG.歩行車使用)は,FoGが顕著で1回目4分30秒,2回目6分48秒であった.症例2は,70歳代男性で罹病期間は9年である.FoGは,MDS UPDRS PartII2.13,PartIII3.11ともに3点であった.日中過眠による覚醒低下によりすぐに閉眼し,PartI1.8は4点,脈拍は72bpmだった.TUGはFoGがあり1回目15.2秒,2回目17.6秒であった.
病態解釈と介入および経過
症例1は覚醒度が過剰と判断し,深呼吸によるリラクゼーションを実施した.脈拍は66bpmに低下し,FoGが軽減した.TUGも1回目1分34秒,2回目1分46秒に改善した.一方症例2は,覚醒度が低下していると判断し,全身運動を実施した.脈拍は93bpmまで上昇し,声掛けなしでも開眼可能となったが,FoGが増悪し,TUGは1回目29.5秒,2回目35.2秒に悪化した.
考察
症例1では覚醒度の抑制がFoGの軽減に有効であったが,症例2では覚醒度の上昇がFoGの増悪につながった.症例2は覚醒度が低下していると判断したが,脈拍は正常レベルに保たれており,介入により覚醒度が過剰になった可能性がある.覚醒度は,低すぎても高すぎてもパフォーマンスが低下するため (Yerkes RM.1908),認知神経リハビリテーションを実施する際にも適切な調整が必要だが,その解釈と調整には注意が必要である.
説明と同意
発表に際し,臨床データの使用について書面にて説明し,署名にて同意を得た.
