第31回日本看護診断学会学術大会

大会長挨拶

謹啓

 平素より看護診断学会へ格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。また、各地での地震や豪雨により被害にあわれたみなさまにお見舞い申し上げます。

 

 この度、第31回日本看護診断学会学術大会を令和7(2025)年8月2日(土)~3日(日)に北海道旭川市で開催することとなりました。大会テーマは「もっと活かそう!看護過程・看護診断」といたしました。

 今大会のテーマとした看護過程と看護診断は、看護の根幹を成すものです。患者さんの個々のニーズを的確に把握し、適切なケアを提供するために不可欠なツールであり、看護師一人ひとりの専門性を体現するとともに、チーム医療における看護師の役割をより明確にすることもできます。本学術大会では看護過程と看護診断の重要性を改めて確認し、その活用方法について情報交換を行いたいと考えています。看護過程と看護診断に基づいてそれぞれの専門性を活かせる看護を実践することで、対象者に質の高いケアを提供することはもちろん、看護師自身の働きがいにもつながると確信しています。看護診断を活用することがどのように臨床・教育に貢献するのか、その意義や魅力についてシンポジウムや教育講演を通してみなさまと共有したいと考えています。また、看護学生のみなさんが看護過程・看護診断についての理解を深める機会にできればと思い、学習コーナーを企画する予定です。他にも交流集会や口演・ポスターセッション等企画中です。一人でも多くの方に参加していただきたいと考えております。

 第19回学術大会が旭川市で開催された10年前と比べますと、看護診断を取り巻く状況も変化していると感じています。また、COVID-19の流行以降、医療現場は厳しさを増し、医療・介護ニーズの高度化、高齢化社会の進展、そして深刻な看護師不足は、看護現場に大きな負担を強いております。厳しい医療状況と人材不足という、かつてない課題に直面する今こそ、看護とは何かをこの学術大会でみなさまと考えてまいりたいと思います。

 北の大地、北海道のほぼ中央に位置する旭川市でみなさまにお目にかかれることを楽しみにしております。

第31回日本看護診断学会学術大会

大会長 升田由美子

(旭川医科大学 医学部看護学科)