講演情報
[学校保健体育-B-04]幼児期における体組成と身体活動との関係(発,測)運動遊び推進園と一般園との比較
*淺川 正堂1、春日 晃章2 (1. 修文大学短期大学部、2. 岐阜大学)
本研究は、就学前施設における身体活動に関わる取り組みと幼児の体組成との関係について明らかにすることを目的とした。対象は5歳児793名(男児397名、女児396名)であった。調査項目は、体格項目として、身長と体重、BMIの3項目。また体組成の測定には体組成成分分析装置(In Body270)を用いて体脂肪量(FM)と除脂肪量(FFM)を測定し、体脂肪率(%FM)、体脂肪量指数(FMI)および除脂肪量指数(FFMI)を算出した。分析に際して、誕生月と測定月を用いて測定時年齢を算出した。運動遊び推進園と一般的な保育・教育を行う就学前施設(一般園)における体格および体組成の差を検討するために、性別に体格3項目および体組成5項目についてt検定を行った。分析の結果、身長とBMIにおいて、男女ともに有意な差が認められ、一般園より運動遊び推進園の方が、身長は高くBMIが低い値を示した。また体組成5項目において、男女ともに有意な差が認められ、一般園より運動遊び推進園の方が、FMは低くFFMが高い値を示した。また%FMとFMI、FFMIにおいて有意な差が示され、一般園より運動遊び推進園の方が、%FMおよびFMIは低くFFMIが高い値を示した。これらの結果から、就学前施設における身体活動に関わる取り組みが体組成の発育に影響しており、運動遊び推進園の幼児は一般園の幼児と比較して、脂肪が少なく筋肉が多い体組成の特性を有していることが示唆された。また測定時の年齢は、男児は運動遊び推進園より一般園の方が高く、女児は有意な差が認められなかった。また、身長は男女ともに運動遊び推進園の方が有意に高い値を示したことから、幼児期における身体活動は長育にも影響を与える可能性が推察された。
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