講演情報
[12人-口-01]身体の国民化戦前の野外教育に着目して
*田中 安津子1 (1. 九州大学大学院)
野外教育とは自然の中で組織的、計画的に一定の教育目標をもって行われる自然体験活動の総称である。自然体験活動とは、自然の中で、自然を活用して行われる各種活動であり、具体的には、キャンプ、ハイキング、スキー、カヌーといった野外活動、動植物や星の観察といった自然・環境学習活動、自然物を使った工作や自然の中での音楽界といった文化・芸術活動などを含んだ総合的な活動と言われている。現在行われる野外教育に影響を与えている活動の起源として、アメリカで1860年にThe Gunnery Camp,ドイツで1896年にワンダーフォーゲル、1909年にユースホステル、イギリスで1907年にボーイスカウトがある。野外教育の基礎となる活動が開始された時期は1900年前後にほぼ集中しており要因として、産業革命に伴い、都市に人口が集中した結果自然と隔絶されたばかりではなく都市住民の生活環境が悪化したことが挙げられる。また、19世紀末から20世紀にかけては帝国主義の時代であり、国民養成の手段として野外教育が普及したことも背景にあると考えらえる。
野外教育が広まる背景となった明治時代から戦前にかけては、日本人の身体技法がおきく変容した時期である。近代国民国家の形成、資本主義の成立といった近代化の過程において、様々な視点から個人の身体はつくりかえられていった。「近代的な身体」を作るために国民の体力を向上させ国家が求める軍事力のみならず、市場が要求する労働力を担当させる必要もあった。このような時代背景の中発生し普及していった野外教育は、いかにして身体の国民化に寄与したのだろうか。
本研究では理論的背景としてミシェル・フーコーの規律訓練を取り上げ、野外教育における主体の形成と身体の国民化について考察を行う。
野外教育が広まる背景となった明治時代から戦前にかけては、日本人の身体技法がおきく変容した時期である。近代国民国家の形成、資本主義の成立といった近代化の過程において、様々な視点から個人の身体はつくりかえられていった。「近代的な身体」を作るために国民の体力を向上させ国家が求める軍事力のみならず、市場が要求する労働力を担当させる必要もあった。このような時代背景の中発生し普及していった野外教育は、いかにして身体の国民化に寄与したのだろうか。
本研究では理論的背景としてミシェル・フーコーの規律訓練を取り上げ、野外教育における主体の形成と身体の国民化について考察を行う。
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