講演情報

[競技スポーツ-A-01]即時的フィードバックを用いたトレーニングの効果(測,コ)ジャンプに着目して

*塩多 雅矢1 (1. 東京学芸大学)
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[諸言]学校体育におけるICT活用のねらい1つはフィードバックであろう。本研究の目的は、ジャンプトレーニング中のジャンプの質を即時的にフィードバックを与えることによるパフォーマンスの向上、またトレーニングの取り組みに与える内面的な効果を検証することである。
[方法]36名の中学生野球部員の垂直跳びの高さを計測し(Enode、S&C corporation製)、フィードバック群(以下、FB群)とコントロール群(以下、CON群)に分類した。トレーニングはスクワットジャンプを10回×4セットを週に3回、8週間に渡って実施した。FB群はジャンプマット(BPAT Jump、スポーツセンシング社製)上で各ジャンプをモニタリングし、自由記述でのアンケートで実施に対する内省の調査をした。トレーニング前後の測定を実施できた31名のデータを分析対象とした。
[結果]トレーニング前後の垂直跳び高は、FB群では42.3±6.0cmから42.0±7.0cm、CON群では40.8±9.3cmから40.5±7.8cmであり、有意な差は見られなかった。アンケートでは「マットから出てしまうことが難しかった」、「跳んでいるうちに、今はどんどん高くなっているからこの調子で跳ぼうや、低くなっているから頑張って高くしようと考えたことが良かった」、「最初の頃よりもジャンプ力が上がっていることが実感できて良かった」などが挙げられた。
[考察]本研究においてジャンプ力が向上しなかったことは、トレーニング量が不十分だったためと考えられる。また、「マットから出てしまうことが難しかった」という部員の意見から、ジャンプ時に全力で跳ぶことよりも、その場で跳ぶことが優先され、それがジャンプ力を伸ばす刺激として不十分だったとも考えられる。一方で、即時的なフィードバックは、部員たち取り組みにおいては促進因子となっていた。

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