講演情報

[05バ-KL-1]Stretch-shortening cycleのメカニズム再考

*福谷 充輝1 (1. 立命館大学)
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<演者略歴>
2012年度に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて博士号を取得。2013年度から日本学術振興会特別研究員 (PD)、2016年度からは日本学術振興会海外特別研究員、2018年度からは立命館大学スポーツ健康科学部の助教、現在は立命館グローバル・イノベーション研究機構の准教授。
我々が高くジャンプする時、だれもが一度しゃがみ込んでからジャンプする。これは、反動を使うとその後の運動パフォーマンスが増強することを誰もが経験的に知っているからといえる。しかし、なぜ反動によって運動パフォーマンスが増強するのかという疑問に対しては、未解明な点が残っている状態である。これまで、反動動作 (stretch-shortening cycle) による筋力増大に関しては非常に多くの研究が行われてきており、伸張反射と腱の弾性エネルギーが主要なメカニズムと考えられている。しかしながら、これらの解釈に再考を迫るようなデータも存在する。また、神経と腱を含まない単一の筋細胞においてもstretch-shortening cycleによる筋力増大が起こることは明白であるため、伸張反射と腱の弾性エネルギー以外の要因が存在する可能性は非常に高い。この要因としてはクロスブリッジ、およびタイチンが考えられている。本発表では、これらの要素を包括的に紹介し、現時点で言えること、言えないことを整理することで、今後のstretch-shortening cycleに関する研究の方向性を議論したい。

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