講演情報
[競技スポーツ-A-05]足袋型シューズの2ヶ月間の装着が瞬発力とアジリティに及ぼす効果(コ)
*天野 勝弘1、森 克実2、田邉 真菜実3 (1. スポーツパフォーマンスデザイン、2. G5 sports、3. G5sports)
日本ではかつて鼻緒のついた履物が主流であった。現在でも特殊な分野では履き続けられているし、そこから派生した足袋型の履物、例えば地下足袋は今でも活用されている。さらに、カジュアル、スポーツ、足の機能改善を目的とした足袋型シューズ(TabiS)が開発・展開されている。私たちはこれまでTabiSの効果についての報告を行ってきた(2018、2019体育学会、2020愛知大学紀要、2021東京体育学会)。しかしスポーツ用のTabiSを一定期間履き続けることによる身体機能の向上に関する研究は行っていなかった。スポーツ競技の現場においては、このエビデンスは重要であると考える。そこで本研究ではこの点について、瞬発力およびアジリティ能力におよぼす効果を検証することを目的とした。使用したTabiSは株式会社丸五製のスポーツジョグⅡであった。対照群は普段履いているシューズで活動した。介入期間は2025年1月7日~3月2日であった。シューズの使用は練習日の6日以上の着用を指示した。介入の前後でカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)の跳躍高、ピーク速度、ピークパワー、ドロップジャンプ(DJ)の反応筋力指数(RSI)をenode(S&C社)により測定した。また10m走、プロアジリティのタイムを光電管を用いて測定した。被検者は直近の甲子園出場をしたチームの野球部員37名(実験群25名、対照群12名)であった。実験群ではCMJのピーク速度が2.64m/秒から2.78 m/秒に、ピークパワーは3735Wから4208Wへといずれも有意に向上した。DJのRSIも2.13から2.28に有意に向上した。一方対照群では、DJのRSIのみ2.02から2.24に有意に向上していた。跳躍高は両群とも有意な向上は認められなかった。以上のことからスポーツ用TabiSは瞬発力とアジリティを向上させる効果があると考えられる。
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