講演情報

[競技スポーツ-B-01]競技会参加の目的とチームのあり方について(コ)大学体操競技部における例をもとに

*松山 尚道1 (1. 天理大学)
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現代日本のありとあらゆる現場において「多様性」というキーワードのもとに、個人の尊重が叫ばれていることは今更強調するまでもないといえる。一方で競技スポーツの現場では、すべての選手に均等に出場機会が与えられるわけではない。大学部活動においては、競技会に出場できない選手が競技役員などで運営に回ることでその競技活動が成立しているというのも現実として受け止めなければならないだろう。部内予選などを勝ち抜いて競技会の出場権得るためにはそれ相応の努力が必要であり、その結果の権利であることは言うまでもない。しかしながらその背景には権利を獲得できず、応援や運営サポートに回る選手も存在している。場合によってはその際の経費は自己負担であることも少なくないのではないか。出場権を勝ち得た選手は、部やチームを代表して出場するという形になり、その期待に沿った立ち振る舞いが求められるであろう。しかしながらやはり個人としての目標達成に重点を置きたくなる側面も否定できないといえる。このような際には、チームとしての規範意識を醸成させつつも、各選手の「個」を尊重させるためのバランスが重要になり、指導者等のスタッフがどのように導いていくのかが非常に重要になるといえる。本発表では、大学体操競技部における例をもとに、これまでの競技に対する考え方やオフ期のトレーニング段階から競技会までの取り組み方、限られた出場権を得た後に選手がどのような想定で競技会に臨もうとしていたのかといった点に着目し、そのあり方について検討する。そこでは選手の技術向上とそれに伴ったモチベーションの高まり、一方で現代の多様な価値観の中でチームのために「個」を抑えなければならない葛藤といった様々な視点の中で、指導者が選手にどう関わっていたのかを見つめなおしていくものである。

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