講演情報

[学校保健体育-B-03]共に学び共に育つインクルーシブ体育の因子に関する研究(ア)

*綿引 清勝1,2 (1. 東海大学児童教育学部、2. 明星大学大学院教育学研究科)
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高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説保健体育編体育編(2018)では、改訂の要点として「運動やスポーツとの多様な関わり方を重視する視点から、体力や技能の程度、年齢や性別及び障害の有無にかかわらず、運動やスポーツの多様な楽しみ方を共有することができるよう指導内容の充実を図ること。その際、共生の視点を重視して改善を図ること」と示されており、共生社会の実現へ向けた保健体育科の果たすべき役割として、運動やスポーツの価値の一つに「共生」が含まれている。ここでは、運動やスポーツの価値の一つに「共生」が例示されていることも注目すべき事柄だと言えるが、共生社会の実現へ向けて、学校体育の果たすべき役割は大きい。そこで本研究では、多様な児童生徒が共に学び共に育つインクルーシブ体育の実現へ向けて、多様な学習者が相互に学び合い、観点別評価にも応用可能な体育授業の自己評価尺度を開発することを目的とした。
研究方法は、202x年1月〜2月の期間において、A県の高等学校2校の生徒(N=414)を対象に梅澤・村瀬・坂本(2021)などの先行研究を基に作成した30項目について5件法(5:当てはまる、4:やや当てはまる、3:どちらともいえない、2:あまり当てはまらない、1:当てはまらない)による質問紙調査を実施し、回答を得た。分析方法は、探索的因子分析(主因子法、バリマックス回転)を実施した結果、合計2因子が抽出された。これらの因子は、第一因子(α=.958)を「共に学ぶ因子」、第二因子(α=.947)を「共に育つ因子」と命名した。次に、抽出された2因子についてMann-WhitneyのU検定にて両校の得点を比較した結果、0.1%水準で通常の高等学校よりもインクルーシブ推進校の方が有意に高い傾向が確認された。なお、本研究は明星大学の研究倫理委員会の承認を得て実施した。

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