講演情報

[学校保健体育-A-20]部活動地域移⾏における指導者確保に関する研究(社,経,政)体育系⼤学⽣を対象としたアンケートより

*藤原 悠太1、早田 剛1 (1. 環太平洋大学)
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1.緒言
 部活動の地域移行とは、これまで教員が担ってきた部活動の指導を地域団体や関係事業者に移し、地域活動として位置づける取り組みである。生徒の健全な育成や地域活性化につながる一方、専門的な指導者の確保が課題となっている。そこで本研究では、体育系大学生に着目し、指導者確保に関する意識を調査した。
2.目的
体育系大学生を対象に、部活動地域移行への意見、指導を行いたい場所について調査し、持続可能な運動部活動の在り方を検討することを目的とした。
3.方法
被験者は体育系大学生54名(男29名・女25名、平均年齢21.4歳)で、教員希望者33名、企業希望者21名であった。Googleフォームを用いてアンケートを実施した。
4.結果
 部活動の地域移行に対する意見では、賛成が81.5%、反対が18.5%であり、教員希望者と企業希望者で有意な差はみられなかった。部活動指導を希望する場所は、教員希望者のうち52%が「自分の勤務校」での指導を望み、次いで「どこでもよい」が24%であった。一方、企業希望者では「どこでもよい」が33%、「地元ならよい」・「家の近くならよい」がともに29%であった。
5.考察
 本研究における部活動地域移行に対する意見では、賛成が多く、体育系大学生は部活動を支援したいという意欲が強く見られることが示唆された。指導希望場所については、教員希望者は自身の勤務校での指導を望む傾向が強く、これは生徒への責任感や愛着が影響していると考えられる。一方、企業希望者は、勤務校という概念がないため、「どこでもよい」「地元ならよい」「家の近くならよい」という意⾒が多く⽴地条件が影響することが考えられた。 
 これらの結果から、部活動の地域移行を持続可能にしていくためには、⼤学⽣だけでなく、現場に⾏きやすい地元の卒業⽣が指導者になることが有効であると推察した。

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