講演情報

[健康福祉-B-05]ICTを活用した大学生の睡眠習慣の実態調査(生)

*西村 一樹1 (1. 広島工業大学環境学部食健康科学科)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】大学生の睡眠教育に活用することを目的にICTを活用した睡眠習慣の実態を把握することを目的とした。【方法】健康・スポーツ系の教養教育科目を履修した大学生2,000名を対象とした。研究倫理審査委員会の承認を得た(生15-003)。対象者は自記式の生活習慣調査を1週間実施した。調査項目は起床、就寝、食事時刻とした。得られたデータに基づきインターネットサイトの質問紙調査(ピッツバーグ睡眠質問票、ミュンヘンクロノタイプ質問紙日本語版)に回答させた。生活習慣調査、質問紙調査で得られたデータに基づき対象者には睡眠に関する改善策を検討する課題を提出させた。【結果と考察】睡眠障害得点の四分位数は4、5、8点であった。睡眠障害得点が6点以上であった対象者は48%であった。社会的時差ボケの四分位数は0.5、1.2、1.9時間であった。社会的時差ボケを1時間以上有する対象者は60%、2時間以上が24%であった。睡眠不足度の四分位数は9、24、44分であった。睡眠不足度が60分以上の対象者は15%であり、120分以上が3%であった。これらのことから、社会的時差ボケの要因である起床、就寝時刻の不規則性の影響が睡眠障害得点を高める要因になりえるものと推測される。提出された主な改善策は「ICTを使用することで定期的に睡眠習慣を評価できる」「睡眠障害得点が思ったよりも高く、休日であっても起床や就寝時刻の差を1時間程度にする」などであった。ICTを活用した睡眠習慣の定量的把握によって、改善策の第1歩を踏み出しやすいものと期待される。今後は、ICTを活用した睡眠スクリーニングによって、真に睡眠の改善指導が必要な対象者を効率的に選定し、効果的な睡眠指導を実施する。【結論】ICTを活用した大学生の睡眠習慣の実態調査から、48%が睡眠障害を有し、60%が1時間以上の社会的時差ボケを有することが明らかになった。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン