講演情報
[競技スポーツ-A-13]競技水準の異なるラグビーチームにおける試合中の運動特性の比較(コ)GPSデータを用いた競技力向上のための比較分析
*稲田 鎮1、中野 貴博1、中本 光彦1、水野 太智1、高橋 好波1 (1. 中京大学)
【目的】ラグビーにおいては,試合中の運動量が勝敗を分ける重要な要因である。しかし、むやみに運動量が多いばかりでは効率的ではないことも考えられ、適切な運動強度やポジションにおける役割分担に基づく運動特性が重要になることも考えられる。そこで本研究では、競技水準の異なるラグビーチームにおける試合中の運動特性を検討することで、今後の競技水準向上のための示唆を得ることを目的とした。【方法】2024年度の東海リーグ1部に所属するC大学、全国大会上位のD大学、トップリーグ所属のチームEの試合中の運動特性をGPS計測器により計測した(最高速度等の6項目)。C大学は、リーグ戦全7試合を対象とし、出場時間が40分以上のデータのみを有効とした。D大学、チームEに関しては、web上に公表されているデータを二次利用した。最初に、C大学と他チームの各項目の差をt検定により確認した。次に、C大学におけるポジションおよび試合展開(得点差で2分類)による各項目の違いを二元配置分散分析により検討した。【結果・考察】中速度走行距離、高速度走行距離、一分間走行距離、総走行距離はC大学がFW、BKともに概ね有意に長くなっていた。一方、最高速度はFWにおいてチームEに有意に劣り、アクセル回数はFW、BKともに他2チームに有意に劣っていた。 C大学内の比較では、最高速度、中速度走行距離、高速度走行距離ではポジション間の有意な差が確認された。また、一分間走行距離、総走行距離では、点差が少ない試合でいずれもBKが有意に長くなっていた。これらのことから、瞬間的な加速局面の回数の差が競技水準に強く影響すること、競技水準が高い程ポジション間の走行距離が明確になることが明らかになり、試合中におけるメリハリや明確な役割分担が重要な要素となっていることが示唆された。
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