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[学校保健体育-B-12]学年および跳び箱の高さが開脚跳びの動作達成度に与える影響(発,測,教)小学校中学年児童の縦断データを用いた検討

*佐野 孝1、上田 恵子2、國土 将平1 (1. 中京大学スポーツ科学部、2. 畿央大学教育学部)
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【目的】小学校中学年児童の縦断データに基づき,開脚跳びの動作達成度に対する学年の影響と各学年における跳び箱の高さの影響を検討することを目的とした.
【方法】A市立A小学校の児童117名(男子56名,女子61名)を対象に,3年生時と4年生時の1月に開脚跳びのビデオ撮影(4・5段で各2回)を行った.技の観察的評価基準(30項目)による評価を行い,各段の試技2回のうち評価合計点が高い試技を分析に用いた.得点分布に著しい偏りがある項目を除外した上で,動作得点への学年の影響を調べるため,従属変数に各項目の動作得点,独立変数に性別,学年を固定効果,対象者を変量効果に指定した混合効果順序ロジスティック回帰分析を実施し,学年の主効果が有意な項目を特定した.また,動作得点への跳び箱の高さの影響を調べるため,3年生時と4年生時において,従属変数に各項目の動作得点,独立変数に性別,跳び箱の高さを固定効果,対象者を変量効果に指定した混合効果順序ロジスティック回帰分析を実施し,跳び箱の高さの主効果が有意な項目を特定した.有意水準は5%とした.
【結果】得点分布より21項目を分析対象に選定した.動作得点に対して学年の主効果が有意であった項目は,踏み切り時の「腕の揃え」,着手時の「手の突き放し」,「肩の起こし」,「両脚の伸展保持」,離手後の「目線」と「両脚の揃え」,着地時の「腰・膝の屈曲」,「静止姿勢」であった.跳び箱の高さの主効果が有意であった項目は,3年生時で踏み切り時の「わきのしめ」,踏み切り後の「腕の投げ出し」,4年生時で踏み切り時の「自由脚の屈曲調整」,「足部の接地先取り」,「リバウンドジャンプ」,踏み切り後の「腰の上昇」であった.
【結論】学年が上がった場合,主に着手から着地に至る動作で達成度の向上がみられ,4年生時は,特に踏み切り時の弾むようなジャンプにおいて跳び箱の高さの影響がみられやすい.

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