講演情報
[学校保健体育-A-13]女子大学生の運動実態と体育意識から考える授業改善(教)
*朴 京眞1、洪 性賛2 (1. 聖心女子大学、2. ソウル女子大学)
女子大学生は「運動経験」「体育への抵抗感」「健康志向」「仲間との活動志向」などにおいて男子学生とは異なる傾向があり、女子大学生のニーズに即した大学体育授業の再検討は喫緊の課題である。その際、実態調査に基づく実証的な授業改善(Evidence-Based Education)は、モチベーションや学修成果の向上に資すると考えられる。そこで、本研究では、女子大学生515名を対象に、大学入学時点におけるスポーツ実施状況と大学体育に対する意識の実態を把握し、授業の改善点を探ることを目的とした。調査は、2025年4月にGoogle Formsを用いて実施した。調査項目はスポーツ庁の世論調査を参考にし、意識把握には説明的文章完成法を用いた。その結果、健康であると感じている学生は88.2%に上る一方で、体力に不安を抱く学生が6割以上を占め、87%以上が運動不足を自覚していた。運動頻度は、約6割が週1日以上運動している一方で、4割はそれ未満の頻度にとどまり、運動習慣において二極化が見られた。運動動機は「楽しみ」「健康」「ダイエット」が上位を占めた。観戦・支援活動については経験が少なく、「観る・ささえる」スポーツ文化との接点が弱いことも示された。また、運動やスポーツを大切で好きとする肯定層が半数近くを占めた一方で、価値は認めつつも苦手意識を持つ学生が約3割存在した。最後に、大学体育が「健康・体力」にとどまらず、「自己成長」「人間関係の構築」「情緒的価値」といった多面的な意味で認識されていた。以上から、女子大学生を対象とした大学体育授業においては、運動習慣の再構築を目指すとともに、プレッシャーのない雰囲気づくりと小さな成功体験ができる活動を取り入れることが求められる。また、文化としての運動やスポーツの意味を再認識し、スポーツの多様な活動を経験できるように授業設計を行う必要があることが示唆された。
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