講演情報
[学校保健体育-B-18]中学校体育授業のバレーボールにおける男女共習と別習の違いが生徒の学びに与える影響(発,教)
*山田 淳子1、松田 繁樹2、出村 友寛3、三谷 林太郎4 (1. 滋賀大学、2. 龍谷大学、3. 仁愛大学、4. 滋賀大学大学院)
本研究では、中学生を対象に男女共習(授業全体を通して男女混合)と男女別習(授業のはじめとまとめのみ男女混合で行いその他は男女別)の体育授業を実施し、共習と別習の違いが生徒の学びに関する意識、技能、および授業中の活動量に与える影響を明らかにすることを目的とした。対象者はS県の国立中学校に在籍する2年生70名(共習群35名、別習群35名)であった。対象授業はバレーボールの全9時間であった。調査内容は、体育授業に関するアンケート、学びの成果を問う事後アンケート、形成的授業評価、授業中の運動強度(Mets)、バレーボールの基礎技能(直上アンダー、直上オーバー)であった。体育授業に関するアンケート、形成的授業評価、運動強度、および基礎技能については一要因にのみ対応のある二要因分散分析を行った。事後アンケートは対応のないt検定を行った。結果、体育授業に関するアンケートでは「バレーボールの授業が好きか」において交互作用が認められ、女子の別習群において事後が事前より有意に高値を示した。事後アンケートでは「楽しむことができたか」「授業を行って互いに協力し、励まし合うことができたか」において女子は別習群が共習群より有意に高値を示した。形成的授業評価では「楽しかったですか」「もっとやってみたいと思いますか」において女子は別習群が共習群より有意に高値を示した。運動強度では、女子において8時間目および9時間目に別習群が共習群より有意に高値を示した。基礎技能では女子において直上アンダーの「膝の曲げ伸ばし」および「身体全体の動き」で交互作用が認められ、別習群において事後が事前より有意に高値を示し、事後において別習群が共習群より有意に高値を示した。中学生のバレーボール授業において男女別習の授業は部分的ではあるものの、特に女子における学習意欲の向上、運動強度の増加および技能の向上につながることが示唆された。
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