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[14介-口-02]日中の眠気に対する二酸化炭素曝露の影響: 睡眠潜時反復検査による証拠二酸化炭素曝露と日中の眠気

*金 瑞年1,2 (1. 仙台大学 体育学部、2. 東北大学大学院医学系研究科運動学分野)
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【背景・目的】このペアード・クロスオーバー研究では、二酸化炭素(CO2)暴露が睡眠潜時反復検査(MSLT)で測定される日中の眠気を誘発するかどうかを調べることを目的とした。【方法】11人の健康な参加者について、環境制御されたチャンバー内において、CO2暴露条件下(4851±229 ppm CO2)とコントロール条件下(1102 ±204 ppm CO2)で、睡眠潜時を4回測定した。また、各測定後に、スタンフォード眠気尺度質問票、精神運動覚醒度テスト、ストループテストを用いて、主観的眠気と認知パフォーマンスを評価した。【結果】CO2暴露群では、睡眠潜時の有意な短縮が観察された(コントロール vs. CO2 = 13.1 ± 3.3分 vs. 9.7 ± 3.2分)。主観的な眠気スコアも、CO2暴露群がコントロール群より有意に高かった(コントロール vs. CO2 = 2.7 ± 0.5 vs. 4.7±0.8)。セッション後の認知反応には、条件間で有意差は見られなかった。【考察・結論】作業現場での環境安全上限濃度と同程度のCO2曝露は、曝露後の認知反応に影響を与えることなく、MSLTにおける睡眠潜時を有意に短縮し、主観的な眠気を増強した。この結果から、環境中の高濃度CO2への曝露は日中の眠気を誘発し、作業効率と安全性を損なう可能性があることが示された。

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