講演情報

[12人-口-12]eスポーツとしてのイーベースボールの社会的意義第一回eプレミア12を通じて

*鄭 稼棋1 (1. 東京理科大学)
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eスポーツの人気が急速に高まり、国際大会や教育現場にも導入が進み、単なる娯楽にとどまらず、感情の発散や仲間との交流など、社会的機能としての可能性が注目されている(Cranmer et al., 2021)。
WBSC(世界野球ソフトボール連盟)は1994年より「WBSCイーベースボール」を開始し、新たな世代に野球の魅力を伝える取り組みを進めてきた。
本研究では、2024年11月に開催された第1回「eプレミア12」を事例とし、WBSCイーベースボールの推進目的と社会的意義を明らかにすることを目的とした。WBSC関係者3名へのインタビューと、プレミア12観戦者390名へのアンケート調査によりデータを収集した。
その結果、WBSCはイーベースボールを通じて、大衆参加型スポーツイベントの可能性とグローバルブランドの認知向上を重視していることが明らかとなった。観客の42%がXR(拡張現実)技術の導入を希望し、身体性や没入感を伴う体験への期待が示された。89%が「ストレスや感情の発散に役立つ」、80%以上が「コミュニケーション力」「リーダーシップ」「情報探索力」「挑戦力」「交渉力」などの社会的スキル向上に役立つと評価し、教育的可能性も示された。
以上より、イーベースボールは社会的機能を備え、教育・地域連携・国際交流など多様な分野での応用が期待される。
今後の展望として、XR技術やAI実況の導入によって、よりリアルで臨場感ある競技体験が可能となり、若年層や非野球ファンへの新たなアプローチが見込まれる。

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