講演情報

[07発-口-01]子どものパーソナリティタイプによる運動の楽しさの違い

*水野 太智1、中野 貴博1、稲田 鎮1、高橋 好波1 (1. 中京大学)
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[背景・目的]子どもの運動を促進するためには、運動の楽しさを伝え、好きになってもらうことが最重要である。しかし、子ども一人ひとりによって運動を楽しいと思う要因は異なることが考えられる。そのため、パーソナリティタイプによって異なるアプローチを行うことが必要であると考えられる。個別最適なアプローチにより、子どもの運動が促進され、結果的に体力向上につながることが期待される。そこで本研究では、パーソナリティタイプによる運動の楽しさの違いを検討することを目的とした。
[方法]2015名の高学年児童を対象に質問紙調査を実施し、子どものパーソナリティに関する45項目、運動の楽しさに関する26項目を分析対象とした。パーソナリティについては15の下位因子から各3因子で構成されるBig5理論の仮説構造に基づいた設問を設定した。そこで、因子分析により15因子構造を確認した後、各3因子の因子得点の合計値により「外向性」「開放性」「誠実性」「協調性」「情緒安定性」のパーソナリティ得点とした。運動の楽しさについては、探索的な因子分析により因子構造を検討し、各因子得点を分析に用いた。各パーソナリティ得点を4群に等分割し、群間における運動の楽しさ得点の違いを一元配置分散分析により検討した。
[結果・考察]運動の楽しさに関しては「見る・支える」「達成感」「運動への没入」「他者からの承認」「自己裁量の行使」「運動の本質の体感」「仲間との協力」の計7つの因子が抽出された。いずれのパーソナリティ得点においても群間で運動の楽しさの7因子得点に有意な差が確認された。しかし、「誠実性」に関しては、多重比較の結果、一部で有意差が見られずパーソナリティによる影響が少なかった。パーソナリティと運動の楽しさには関連があるが、「誠実性」に関しては関連が小さくなることが示唆された。

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