講演情報

[07発-口-02]体育座りへの体操介入による身体的・精神的負荷の調査

*増田 一太1,2 (1. 国際医学技術専門学校 、2. 京都工芸繊維大学)
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学校生活において、座位活動は学習の基本となる姿勢である。近年、子どもが行う体育座りは腰痛の危険性が指摘され、各学校や自治体単位で対応が迫られている。しかし、体育座りは今後も多くの学校で用いられる姿勢であるため、長時間の実施でも安全な運用が求められる。そこで、本研究の目的は、体育座り中に体操を取り入れた際の身体及び精神的負荷に対する効果とリタイア率を検討することとした。対象は、側弯症や脊椎分離症の既往がなく、また現在においても腰痛のない18歳から20歳の医療系専門学生96名(男性61名、女性35名)(平均年齢18.5±0.5歳)とした。調査は、椅座位(n=95),胡坐(n=93),体育座り(n=92),5分毎に体操介入した体育座り(n=95)(以下、5分毎体育座り),10分毎に体操介入した体育座り(n=93)(以下、10分毎体育座り)の4種類の座位法を20分間行った後の自覚的な身体及び精神的な負荷とリタイア率を調査した。なお、体操は5秒間体幹を曲げたり伸ばす運動を行わせた。負荷の調査は、調査終了時に最大の苦痛を10とした際の数値を口頭で示させた。身体及び精神的な負荷指数の順に結果を記載する。椅坐位は1.6と1.8、胡坐は2.7と2.9、体育座りは3.0と4.0、5分毎体育座りは2.3と2.6、10分毎体育座りは3.0と3.1であった。リタイア率は、椅坐位5.3%、胡坐9.7%、体育座り20.7、5分毎体育座り9.7%、10分毎体育座り10.1%であった。体育座りの身体及び精神的な負荷指数は計測姿勢の中で最も高かったが、体操の介入で胡坐並みの負荷指数及びリタイア率に低減できることが分かった。これらより、体育座りの導入が長時間に及ぶ際は、体操の介入により、より安全に運用できる可能性が示唆された。

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