講演情報
[11教-口-09]小学生と成人を対象とした柔道の受身時の頭部衝撃値に関する研究頭部損傷基準値:HIC(Head Injury Criterion)用いての評価
*廣田 音奏1、成田 泰崇2、石川 芽生子4、小谷 恭子3、河鰭 一彦4 (1. 大阪産業大学、2. 国士舘大学、3. 帝塚山学院大学、4. 関西学院大学)
背景と目的
子どもは転倒の発生率が高く、頭部や顔面の負傷も多く見られる。特に頭部外傷の予防は重要な課題である。柔道にはこうした頭部損傷のリスクを軽減する技法として「受身」がある。本研究では、頭頚部筋力が成人より弱いと考えられる小学生柔道修行者を対象に、受身動作中の頭部損傷基準(Head Injury Criterion:HIC)を測定した。また、比較対象として成人の柔道経験者においても同様の測定を行い、“小学生の柔道の受身時“の頭部衝撃値を検討することを目的とした。
方法
対象は柔道教室に通う小学生1~6年生と柔道経験のある成人とした。対象者には柔道衣を着用させた。小学生には「前回り受身」、「横受身」、「後ろ受身」の3種類の受身動作を各2回行わせ、成人には「前方への模擬転倒」、「前受身」の2種類を各2回行わせた。それぞれの受身時の頭部衝撃値の測定のために加速度センサを対象者の前額面に装着した。得られた加速度データから最大HICを算出し小学生と成人でt検定を施し比較、検討を行った。
結果と考察
小学生の受身動作3種類間の最大HICと成人の受身動作2種類間の最大HICでは有意な差は認められなかった。成人と小学生の各受身の比較では成人の「前方への模擬転倒」よりも小学生の「横受身」の最大HICの方が有意に小さかった(p < 0.05)。また、成人の「前受身」よりも小学生の「横受身」の最大HICの方が有意に小さかった(p < 0.01)。小学生の「横受身」の最大HICが有意に小さかったことに関して、柔道では受身時の衝撃を緩衝させるために身体の接床面積を広げ、更に身体の接床順位をうまく配分して時間的に長くして緩衝しているとされている(児島,1978)。「前受身」は腕しか接地しないため接床面積も小さく接床順位の配分もないが「横受身」はその逆であることから最大HICが有意に小さかったと考えられる。
子どもは転倒の発生率が高く、頭部や顔面の負傷も多く見られる。特に頭部外傷の予防は重要な課題である。柔道にはこうした頭部損傷のリスクを軽減する技法として「受身」がある。本研究では、頭頚部筋力が成人より弱いと考えられる小学生柔道修行者を対象に、受身動作中の頭部損傷基準(Head Injury Criterion:HIC)を測定した。また、比較対象として成人の柔道経験者においても同様の測定を行い、“小学生の柔道の受身時“の頭部衝撃値を検討することを目的とした。
方法
対象は柔道教室に通う小学生1~6年生と柔道経験のある成人とした。対象者には柔道衣を着用させた。小学生には「前回り受身」、「横受身」、「後ろ受身」の3種類の受身動作を各2回行わせ、成人には「前方への模擬転倒」、「前受身」の2種類を各2回行わせた。それぞれの受身時の頭部衝撃値の測定のために加速度センサを対象者の前額面に装着した。得られた加速度データから最大HICを算出し小学生と成人でt検定を施し比較、検討を行った。
結果と考察
小学生の受身動作3種類間の最大HICと成人の受身動作2種類間の最大HICでは有意な差は認められなかった。成人と小学生の各受身の比較では成人の「前方への模擬転倒」よりも小学生の「横受身」の最大HICの方が有意に小さかった(p < 0.05)。また、成人の「前受身」よりも小学生の「横受身」の最大HICの方が有意に小さかった(p < 0.01)。小学生の「横受身」の最大HICが有意に小さかったことに関して、柔道では受身時の衝撃を緩衝させるために身体の接床面積を広げ、更に身体の接床順位をうまく配分して時間的に長くして緩衝しているとされている(児島,1978)。「前受身」は腕しか接地しないため接床面積も小さく接床順位の配分もないが「横受身」はその逆であることから最大HICが有意に小さかったと考えられる。
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