講演情報
[11教-口-22]高校体育授業におけるアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)を取り入れた準備運動が女子生徒の意識に及ぼす影響運動有能感の違いに着目して
*大坪 健太1 (1. 岐阜協立大学)
本研究は、高校体育授業における準備運動にACPを取り入れた授業実践に対する生徒の意識を、運動有能感の観点から検討することを目的とした。対象はG県の県立高校に在籍する1年生の女子生徒78名であり、単元は長距離走であった。順序効果を統制するために、A組では単元の前半4時間で対象校において従来実施されてきた準備運動(通常準備運動)を、単元後半4時間でACPを取り入れた準備運動(ACP準備運動)を行い、B組では前半にACP準備運動を、後半に通常準備運動をそれぞれ実施した。準備運動以降の授業内容は2クラスで同一の内容を実施した。単元開始時において、運動有能感測定尺度を用いて運動有能感を調査するとともに、体育授業および運動・スポーツに対する意識についてアンケート調査を行った。単元終了時には、ACP準備運動の有無が生徒の意識に与える影響を調査した。質問紙は9項目から構成され、3件法(どちらの準備運動が楽しかったか等の支持傾向に関する5項目)あるいは5件法(ACP準備運動は楽しかったですか等の賛同度に関する4項目)によって回答を得た。分析に際して、運動有能感のT-scoreを算出し、上位群(≧55)、中位群(45〜54)、下位群(<45)の3群に分類した。ACP準備運動に対する生徒の意識特性を検討するために、運動有能感と質問項目との関連についてクロス集計およびχ²検定を行った。
分析の結果、運動有能感と体育・運動・スポーツへの意識との間に有意な関連が認められた。一方で、運動有能感とACP準備運動に対する意識との間には有意な関連は認められず、運動有能感の高低に関わらずACP準備運動に対する肯定的回答の割合が高い傾向が確認された。これらのことから、高校体育授業におけるACPの活用は、体育嫌いや運動嫌いな女子生徒の運動を推進していくうえでの効果的な活動内容となり得る可能性が示唆された。
分析の結果、運動有能感と体育・運動・スポーツへの意識との間に有意な関連が認められた。一方で、運動有能感とACP準備運動に対する意識との間には有意な関連は認められず、運動有能感の高低に関わらずACP準備運動に対する肯定的回答の割合が高い傾向が確認された。これらのことから、高校体育授業におけるACPの活用は、体育嫌いや運動嫌いな女子生徒の運動を推進していくうえでの効果的な活動内容となり得る可能性が示唆された。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
