講演情報

[08測-口-01]BIA法によって測定された一般大学生の体組成の現状

*川端 悠1、小笠原 佑衣1、吉井 泉1、三宅 孝昭1 (1. 大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター)
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【背景・目的】我々は、これまで一般大学生の体力と体組成に関する基礎データを収集し、健康の維持・増進、そして効果的な運動指導や栄養教育プログラムの開発に資する知見の蓄積を目指してきた。近年では、若年層における不適切なダイエットや生活習慣の乱れに起因する低栄養、あるいは「隠れ肥満」といった問題が指摘されている。本研究ではBIA法を活用し、一般大学生の体組成の様相を詳細に明らかにすることを目的とした。【方法】対象は大阪府のO大学に通う1年生(男子1,443名、女子722名)であった。測定項目は年齢、身長、体重、除脂肪量および脂肪量(全身、上肢、体幹、下肢の除脂肪体重、脂肪体重)であった。測定にはInBody470を用いた。測定されたデータは、t検定によって男女比較を実施し、相関係数の差の検定によって、上肢、体幹、下肢の部位別除脂肪量の関係を検討した。統計学的仮説検証における有意水準は5%に設定された。【結果】除脂肪量と脂肪量には有意な性差が部位別に認められ、部位別には上肢と体幹の除脂肪量の関係が男女ともに一番強かった。【考察】上肢と体幹の除脂肪量の関係が強い相関を示したことは、両者の機能的な連動性が深く関与している可能性を示唆しており、この点についてはさらなる詳細な検討を要する新たな研究課題である。本研究で用いたBIA法は多周波数帯を用いることで、部位別の体組成が測定可能であり、その信頼性が先行研究で報告されている。今回の研究結果は、大学生の体組成特性を理解し、彼らの健康増進に向けた個別のアプローチを検討する上での基礎データを提供するものと考える。

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