講演情報
[08測-口-04]ニューラルネットワークによる幼児の遊びの性差
*青柳 領
【緒言】幼児の遊びは多岐に渡るが,決して無作為に行われることはなく,幼児の特性に応じて行われ,そこには性差が存在することも考えられる.そこで,本研究では幼児の遊びの性差についてニューラルネットワークを用いて検討する.【研究方法】日本のF市内の幼稚園児の保護者123名を対象に自分の子供が好んでしている遊びについて自由記述によるアンケート調査を行った.表現は違うが実質意味する内容が同じ場合は表現を統一した後,さらに535個を①おりがみやブロックなどの工作②すべり台,砂遊び,鉄棒などの公園遊び③ままごとやヒーローごっこなどのごっこ遊び④鬼ごっこなどの戸外遊び⑤野球やサッカーなどのボール遊び⑥お絵かきやぬり絵⑦自転車⑧テレビやテレビゲーム⑨絵本⑩オセロやカードゲーム⑪ミニカー遊び⑫歌,ピアノ,ダンス⑬人形遊び⑭プールや水遊び⑮虫や花採取の15種に分類した.そして,その頻度を用いて,隠れ層が1層からなり,出力層を男女にしたニューラルネットワークを用いて予測した.【結果】誤判別率は,隠れ層のニューロンの数が2個では13.82%,3個では9.76%,4個では8.13%と単調的に数の増加とともに単調に減少したが,3個から4個への減少率は2個から3個への減少率と比較すると著しい改善は見られず,4個の隠れ層から見られる「重み」には特徴的な値が見られなかったので,3個解を採用した.特徴を示す隠れ層の「重み」には男児につながるニューロンには⑪ミニカー遊び(5.99)や虫や花採取(5.16)が大きな値を示し、女児につながるニューロンには⑬人形遊び(8.24)、⑫歌,ピアノ,ダンス(5.62)、③ごっこ遊び(4.07)が大きな値を示し,男児は活発で好奇心旺盛なので,体を動かすことや新しいものを発見することを好むのに対して,女児は音楽に合わせて踊ったり,歌ったりすることを好む傾向が見られた.
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