講演情報

[08測-口-09]レジスタンストレーニングにおけるアームカール時の肘関節可動域の違いが筋力に及ぼす影響

*小笠原 大智1、安 妮1、小林 秀紹 (1. 札幌国際大学)
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レジスタンストレーニングにおいて、1RM向上には関節可動域の影響が知られている。また、スティッキングポイントを含む可動域でのトレーニングが筋力向上に大きく貢献することが明らかになっている。しかし、異なる関節可動域による1RMを比較した研究は十分検討されていない。本研究は、アームカールにおけるスティッキングポイントを含む部分的可動域と全可動域のいずれが1RM向上に貢献するかについて検討することを目的とした。
被験者は男子大学生9名であった。本研究では、ダンベルプリ―チャーカールにおける可動域について0~68°を初期部分可動域,0~135°を全可動域と設定した。まず、ダンベルプリチャーカールの1RMを全可動域で、トレーニング介入前と介入後に実施した。のちに、ダンベルプリチャーカールを4週間、週に2回の頻度で実施し、1回あたり4セットのトレーニングを行った。一方の腕を初期部分可動域、もう一方の腕を全可動域とし、挙上できなくなるまで行った。トレーニングする腕は毎回入れ替え、休息は3分とした。
初期部分可動域と全可動域における介入前および介入後の1RMの平均値の差を対応のあるt検定を行い、さらに効果量を算出した。
その結果、初期部分可動域と全可動域のいずれにおいても介入前と介入後の間の1RMの平均値に有意な差が認められ、効果量においても大きな効果が認められた。
初期部分可動域と全可動域の双方において,介入前と介入後の間の1RMの平均値に有意な差が認められたことからスティッキングポイントは筋力の向上に貢献すると考えられる。また、先行研究では筋力向上にストレッチポジションが関係していることが報告されている。初期可動域、全可動域にはストレッチポジションが含まれていたため、筋力の向上にはトレーニングする際の関節可動域にストレッチポジションが含まれている必要性も示唆される。

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