講演情報
[05バ-口-03]曲り特性の異なるポールは跳躍中のポールの挙動に影響するのか?曲率半径を観点としたポールのセグメントの最大湾曲位置による評価
*武田 理1、植松 倫理1、鈴木 啓太3、藤井 範久2 (1. 筑波大学大学院、2. 筑波大学、3. 名古屋学院大学)
棒高跳ポールに関する研究は湾曲量による評価が多く, ポールの曲り方, ポールのどの部位が大きく曲がっているかに関する研究はわずかしかない. 一方, 指導現場では「下曲がり」など, 曲り方に関連する言葉が使われており, 曲り方もポールの評価では重要であろう. そこで本研究では, キックポイント(KP)の異なる5種類のポール (A :Mid, B: Low-Mid, C: Mid-high, D: Low, E: High)を製造し, 跳躍中のポール挙動や使用感に影響するかを検討した. 研究対象者1名, 8歩の足合わせ跳躍を各ポール10試技(合計50試技), モーションキャプチャを用いてポールに取り付けた反射マーカーの座標値を計測し,ポールセグメントの曲率半径を求めた. 踏切時重心水平速度(5.51m/s±0.08),踏切角度(21.6°±0.42), ポール最大湾曲率(22.6%±0.26)の3つのパラメータの2SD以内を分析対象試技とし, KPは研究対象者に開示せず, 実験終了後にポールの使用感を順位付けした. ポール最大湾曲時の最大湾曲位置(下端0%-上側グリップ100%)は, Dが65-70%区間で最もポールの上端に近く, A,B,Cは50-55%でポール中央付近, Eは45-50%とやや下端側の湾曲が最も大きかった. 次に湾曲の大きい位置は, A, Cは中央付近(45-50%)を示したが, B, Dは上端側 (60-65%, 66-70%)が湾曲し, Eのみ, やや下端側(40-45%)の湾曲を示した. 跳びやすさの主観評価は高評価順にB>A>C>D>Eの順番であった. D(KP: Low, 最大湾曲位置:ポール上端側)のように KPの設定と最大湾曲位置は逆の傾向を示し, KPが最も高い位置のEが最も跳びにくい評価であった. ポールのKPは跳躍中のポール湾曲, 挙動に影響すること, 個人でKPの位置と使用感が異なる可能性が示唆された.
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