講演情報

[02社-口-06]アメリカの高校運動部活動の実態に関する調査研究(4)ミシガン州公立校の事例分析

*束原 文郎1、中澤 篤史2、小石川 聖2 (1. 帝京大学、2. 早稲田大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード
本研究は、ミシガン州の公立高校における運動部活動の実態を、現地校長・アスレチック・ディレクター(以下、AD)等への聞き取りと、学校ハンドブック・Web情報等を活用して明らかにしたものである。教師がコーチを兼任し、生徒の学業との両立を重視する点は日本と共通するが、大きく異なる点も多数存在した。たとえば校長・ADを中心とする運営組織体制、施設整備費の起債、スポンサー契約、放映権・収益の管理、地域大会から州大会への接続、明確な出場資格管理など、すべてが説明責任を伴った制度設計のもとで運営されている事が挙げられる。ビジネス的要素も利潤追求でなくより充実した教育環境の実現に資するものであり、むしろ積極的に奨励されている点が特徴的であった。
アメリカの高校スポーツ文化の高度な発展の背景には、ユーススポーツを教育の重要な柱とみなす市民的合意と、スポーツを通じた人間形成に対する強い信念、すなわち、スポーツへの信仰に近い情熱が根底にあると考えられる。
なお本発表は、独立した内容を持つものであるが、中澤ほか「アメリカ高校運動部活動の実態に関する調査研究(3)テキサス州でのフィールドワークをもとに」と連動した共同調査研究プロジェクトの一部である。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン