講演情報
[02社-口-09]日本バスケットボール界へのアフリカ出身留学生の移住に関する研究アフリカ出身留学生斡旋企業の事業内容に着目して
*千葉 直樹1 (1. 中京大学)
BaleとSang (1994)は世界システム論に基づき1970年代から80年代にケニア陸上界がアメリカの大学に留学したケニア出身長距離選手の流出に伴い「未発達」な状態に陥ったことを指摘した。同じような状況は、1990年代以降、日本の高校指導者によって有望な選手を勧誘されたアフリカの国々で起こっていたかもしれない。河野(2019)は日本の高校バスケットボール部に登録された留学生が2004年の53名から2019年の81名に増加したことを指摘した。2011年の全日本大学バスケットボール選手権大会に出場した留学生の数は11名であった一方で、2021年には38名に急増した(Chiba and Falcous, 2024)。一方、2022-23シーズンのBリーグに登録された選手の内、留学生選手は全体の2.2%であった。一方、外国出身選手は全選手の34.8%を占め、その内68%はアメリカ人だった。つまり、留学生選手は高校でセンターのポジションを務める傾向があり、ゴール下シュートとリバウンドでの貢献を求められオールラウンダーとしての技術が不十分であるため、アメリカ人に太刀打ちできない。アフリカから日本の高校に留学生を勧誘するためには、企業等との調整が必要になる。それではアフリカ出身の留学生はどのような仕組みで日本の高校に勧誘されているのだろうか。本研究では、日本の高校に在学したアフリカ出身バスケットボール選手を勧誘した企業関係者の斡旋理由や仲介事業の内容を明らかにすることを目的とする。2025年3月にC社でA氏とB氏に90分の専門家インタビューを行った。C社は高校関係者から運動部を強化する目的で留学生の勧誘依頼を受け2016年から斡旋事業を始めた。C社は2025年4月時点で36名のナイジェリア人を日本の高校や大学に留学する斡旋業務を行った。詳細な調査結果は当日発表する。
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