講演情報

[02社-口-10]インターネット上におけるスポーツニュースにみたナショナリズムに関する検討2024年パリオリンピックにおけるバスケットボール日本代表チームの記事を事例にして

*楊 橋宇1、下窪 拓也1、渡 正1、鈴木 宏哉1 (1. 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科)
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【背景と目的】近年、急速な発展を遂げるSocial Network Service (SNS)が注目を集めている。特に、SNS上で表現されるニュースとその影響が検討されている。SNSを利用してスポーツイベントを視聴する人は増えており、その影響も大きくなっている。ここ数年、人々はメディアを通じて世界と民族に対する認識やリアリティ、自己のアイデンティティを形成してきた。本研究は、2024年パリオリンピックにおけるバスケットボール日本代表チームの報道とネットユーザーのコメントを解析し、認識的ナショナリズムの観点から検討することを目的とする。
【方法】パリオリンピックにおけるバスケットボール男子日本代表の試合に着目し、スポーツナビからニュースを収集し、テキスト分析を実施した。先行研究の検討から作成したナショナリズムのコードに基づいて、テキストからコードに関連する単語を抽出し、ニュースにおけるナショナリズムのコードに該当する単語数とコメントにおけるナショナリズムのコードに該当する単語数の関連を考察した。
【結果】ランダムサンプリングにより抽出したニュースにおけるナショナリズムのコードに該当する単語数とコメントにおけるナショナリズムのコードに該当する単語数の間に、統計的に有意な正の相関が見られた。ニュースの投稿日付とナショナリズムのコードに該当する単語数の間には有意な関連は見られなかった。ポジティブな意味をもつナショナリズムのコードに該当する単語数はニュースとコメントの間に正の相関を示したが、ネガティブな意味をもつナショナリズムのコードに該当する単語数には有意な関連は見られなかった。
【結論】ニュース記事内のナショナリズムは、コメントする人々のナショナリズム意識に影響を与える可能性が示唆された。しかし、本研究は短期間のデータからランダムサンプリングしたものであり、より深い探究が必要である。

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