講演情報

[15政-口-05]中学生バドミントン登録者数の男女差に関する研究2014~2023年の都道府県別競技人口の変化率に基づくクラスター分析

*佐久間 浩平1 (1. 筑波大学大学院)
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近年の少子化や部活動の地域移行政策の進展などにより中学校の運動部活動は大きく変容し、様々な課題が生じているが、個別のスポーツ種目の実態を解明している研究は少ない。また、中学校の運動部活動人口について種目における男女差を分析した研究もほとんど行われていない。特にバドミントン競技については中学生に人気のある種目であり、競技人口も大幅な減少はなく、男女でも差異があることが考えられる。そこで、本研究では、2014年から2023年の10年間における中学校のバドミントン部に所属する部員数および部数の都道府県別の変化率を男女別に明らかにし、男女差を比較考察することを研究の目的とした。分析方法としては、都道府県別の中学校バドミントン部に所属する登録部員数及び部数の変化率を用いて階層的クラスター分析を行った。分析にはSPSS Statistics 30.0を用い、ユークリッド距離と平均連結法を採用した。そして、部数と部員数の変化率の相関関係を散布図により可視化し、クラスターごとの分布傾向を分析した。その結果、男子は8つ、女子は6つのクラスターに分類された。男子では佐賀や大阪など、部数・部員数ともに急増した県がある一方で、和歌山のように部員数は増加しながらも部数が減少した県もあり、また女子に比べてクラスターのばらつきが大きいことが明らかとなった。女子では、都道府県の74%が平均的なクラスターに属しており、全国的に類似した傾向があることが明らかとなった。ただし、男女で同一の傾向を示した都道府県は鳥取と宮崎の2県にとどまり、45都道府県で男女で異なる傾向があることが明らかとなった。これらの結果から、中学生のバドミントン競技人口は、都道府県ごとに異なり、男女差が生じており、男女差が生じる背景として都道府県ごとの個別の要因があることが示唆された。

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