講演情報

[13ア-口-01]大学生のデフスポーツに対する意識変容2ろう・難聴者とのスポーツ経験の有無に着目して

*赤羽根 颯河1、齊藤 まゆみ1、中島 幸則2 (1. 筑波大学 、2. 筑波技術大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード
昨年の学会大会では、デフスポーツに関する講義が、ろう・難聴者への理解とろう・難聴者のスポーツにおけるコミュニケーションの要素を含むことが、受講者に対してろう・難聴者への興味・関心につながること報告した。先行研究より、対象者の障害当事者とのスポーツ経験の有無が、障害者への理解や興味・関心につながると示唆されている。以上より、本研究の目的は、デフスポーツに関する講義がろう・難聴者への興味・関心に与える影響について、スポーツ経験の有無に着目し検討することとした。対象はスポーツ系、医療系、教育系の学部に所属する12大学の大学生586名である。調査方法はデフスポーツに関する出前講義として1コマ分の授業を行い、講義の前後でアンケート調査を実施した。講師はろう・難聴者と聴者がそれぞれ担当した。調査内容はろう・難聴者とのスポーツ経験の有無、デフスポーツへの興味・関心であった。デフスポーツへの興味・関心については6項目を4件法で回答を求めて、とてもそう思うを3点、そう思うを2点、そう思わないを1点、全くそう思わないを0点とし、「スポーツ経験有り群」、「スポーツ経験無し群」に分けて混合分散分析を行った。分析にはIBM SPSS Statistics ver30 for Winを用いた。その結果、「スポーツ経験有り群」と「スポーツ経験無し群」とでは、6項目中5項目で被験者内効果と被験者間効果において有意な差が見られた。しかし交互作用では有意な差は認められなかった。本研究のデフスポーツに関する講義は、スポーツ経験の有無に関わらず、ろう・難聴者への興味・関心が高まるが、ろう・難聴者とのスポーツ経験は、ろう・難聴者への興味・関心によりポジティブな影響を与えることが推察される。今後は、スポーツ体験を含むプログラムの検討が必要である。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン