講演情報
[13ア-口-02]運動部活動経験が信念およびアダプテッドの考え方に及ぼす影響体育教師を志望する学生を対象に
*平間 千晴1、村上 祐介2 (1. 順天堂大学大学院、2. 順天堂大学)
誰もが楽しめる体育のためには、体育教師がアダプテッドの考え方を持つ必要がある。しかし、体育教師は信念のタイプによってアダプテッドの考えが受け入れづらくなっている可能性がある。信念が形成される経験の中でも、体育教師においては運動部活動の存在が大きいと考えられる。そのため、今後アダプテッドの考え方を体育教師に浸透させていくには、運動部活動の経験と信念の関係性を知る必要がある。そこで本研究では、運動部活動の経験がどのような信念を形成し、それがアダプテッドの考え方の受容に繋がっているのかを明らかにすることを目的とした。調査はアンケートを用いて行い、分析対象はスポーツ系大学に通う教員免許取得予定の174名とした。調査項目は、主に、教師イメージと仕事の信念(朝倉・清水,2014)、高校・大学での競技歴と競技者アイデンティティ(磯貝ら,2001)、アダプテッド・スポーツへの意思に関する項目(齊藤,2022)を設定した。結果として、教師イメージと仕事の信念について分析したところ、有意な差があり、管理者型には閉鎖的信念型が最も多く、支援者型には生徒重視型と開放的信念型が多かった(χ2(4,N=174)=29.399,p<.001)。次に、仕事の信念と高校時代の競技者アイデンティティについて分析したところ、有意な差があり、競技者アイデンティティが高い群には開放的信念型が多く、低い群には閉鎖的信念型が多かった(χ2(4,N=169)= 12.220,p<.05)。これらのことから、体育教師を志望する学生において、教師イメージと仕事の信念の関係は先行研究で示された体育教師と大きく変わらないが、仕事の信念は高校時代の運動部活動経験によって変わる可能性が示唆された。それらを踏まえ、運動部活動経験と信念、アダプテッドの考え方の関係について考察した。
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