講演情報

[13ア-口-05]神戸市立中学校における「特別な配慮が必要な生徒」のスポーツ環境通常学級の障害種別出現パターンによる類型別特徴

*金山 千広1、瀬川 海1 (1. 立命館大学)
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「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終報告では、部活動の地域展開において障害の有無にかかわらず活動機会を保障することを基本理念の一つとしている。この理念に通じる「インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」(文科省, 2012)では、合理的配慮や個別支援、教育資源の柔軟な活用が掲げられたが、実施体制の違いにより都道府県間格差が顕在化した。本研究が対象とする、兵庫県・神戸市は特別支援学級の設置率が高い地域である。本研究では神戸市立中学校を対象に、通常学級に在籍する「特別な配慮が必要な生徒」の障害種別出現パターンをもとにクラスター分析(ウォード法、平方ユーグリット距離)を行い、類型別にインクルーシブなスポーツ環境を把握することを目的とした。調査は市立中学校の全てを対象に、各校毎特別支援教育に精通した教員1名が無記名で記入する形で実施し、57校から回答を得た(回収率71.2%)。すべての中学に特別支援学級が設置され、生徒の在籍率平均は2.29%であった。大半の学校でインクルーシブ体育が行われており、特別支援学級のみで実施している学校は1校にとどまった。さらに、特別な配慮が必要な生徒は9割の学校で部活動に参加し、運動部に参加する生徒のうち88%が対外試合にも出場していた。これらの生徒は、周囲の理解のもとで競技のルールを理解しながら積極的にプレーしていると考えられる。一方で、2026年度に予定されている地域クラブ活動(コベカツ)への移行に際し、こうした生徒の参加機会確保に関する具体的支援策は十分に検討されていないことが課題として浮上している。クラスター分析の結果、「肢体不自由対応型」「多様型」「不在型」「未分類対応型」の4類型が抽出された。発表では、これらの類型別にみたスポーツ環境の特徴と、部活動地域展開への対応課題を報告する。

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