講演情報

[13ア-口-07]障害児者を対象としたアダプテッド・スポーツ実践の検討Standup paddleboard(SUP)のレース出場にむけた取り組み

*加地 信幸1、河野 喬1、小川 海希都2、相川 貴裕1 (1. 広島文化学園大学、2. 広島市立広島特別支援学校)
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本研究では、障害児者を対象としたアダプテッド・スポーツ実践の中でも例の少ないウォータースポーツのうち、海上で実施するStandup paddleboard(SUP)に焦点を当て、筆頭筆者が開発した障害児者SUP用具、および指導法の工夫による、西日本SUP大会におけるユニバーサルサップ部門へのレース出場に係る取り組みについて報告する。調査の方法は、SUPレースに参加した障害者(アンケート回答が可能な肢体不自由者・成人)3名、およびボランティア10名を対象に事後アンケート調査を実施した。調査の結果、SUP大会へ出場したことについて、障害者からは「SUP練習も本番も楽しかった。海で風を感じて気持ちよかった。」「普段からSUP練習をしているのでレースに出場できて良かった。」等、肯定的な回答を得た。ボランティアからは「考案されたフロート付きSUPがあり安心して参加できた。」「誰でも海を楽しめる点がとても良い。」等、肯定的な回答を得た。一方では、「波がとても高くSUPには結構ハードルが高く苦戦した。」「波に覆われることが数回あったので自然がいかに危険であることが分かった。」「波と風等の天候を予測する事が難しいので、安心、安全かつ信頼性を持ってもらえる人になりたいと思った。」「難しいコンディションでも支援できる力を身に付けるためにもSUP練習が必要。」「岸からボードへの障害者移動がもっとスムーズに出来ると良い。」等、自然を相手にした海上でのSUPに対する課題も挙げられた。しかし、開発した障害児者SUPが「体験」ではなく、一般のSUP大会において障害者が健常者と共に「レース出場」を果たしたことは価値が高いと考える。検証の結果、障害者の障害の状態等に応じて、スポーツが可能となるよう用具、指導法等を工夫したスポーツ提供の場、および指導者の技術向上と指導者養成が重要であることが示唆された。

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