講演情報
[04生-口-06]カフェイン摂取が800m走パフォーマンスに及ぼす影響
*佐々木 健成1、土橋 康平2、森田 憲輝2 (1. 北海道教育大学大学院、2. 北海道教育大学)
【背景】カフェインは競技力向上を目的として広く用いられている。先行研究ではカフェイン摂取によりトレッドミル上での擬似800m走記録を向上させたと報告されている。しかし、実際のトラック上での800 m走で記録が向上するのかは検証されていない。また、高強度運動時には動脈血酸素飽和度 (SpO2) が低下し運動誘発性低酸素血症(EIAH)が生じることがパフォーマンス低下の要因とされる。そこで、本研究ではカフェイン摂取が実際のトラック上での800m走記録、SpO2および骨格筋酸素化動態に及ぼす影響を検討し、カフェインの有効性を検証した。【方法】被験者は800m走を専門とする若年成人14名(M/F=10/4,age= 20.9±1.8歳)であった。6 mg/体重kgのカフェイン(カフェイン条件)もしくは6 mg/体重kgのグルコース (プラセボ条件) のいずれかを二重盲検条件下で摂取し、85分後に公認陸上競技場にて800 m走試験を行った。SpO2および筋酸素化動態は安静時から試験終了まで継続的に測定した。【結果】800m走タイムはカフェイン条件(135.1±15.9s)とプラセボ条件(134.8±15.7s)間の対応のあるt-testからは有意差はみられなかった。しかし、各条件時の気温と風速を補正した分析においてカフェイン条件は800m走タイムの有意な短縮効果が認められた。ゴール直前10秒間のSpO2値はカフェイン条件(90.7±6.0%)、プラセボ条件(91.2±5.4%)であり、いずれも中等度EIAHに分類される水準であった。しかし、SpO2および筋酸素化動態に条件間の相違はみられなかった。【結論】カフェイン摂取は800m走行時の酸素化動態に大きな影響を与えないものの、気象条件による走タイム低下を抑制することが示唆された。
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