講演情報
[10保-口-02]球技を専門とする日韓の女子体育大学生におけるやせ志向と食習慣との関連
*白石 百音華1、古泉 佳代2 (1. 日本女子体育大学大学院、2. 日本女子体育大学)
[緒言]日本の若年女性のやせ志向の強さ、欠食率の高さは問題とされており、韓国も同様の問題を抱えている(池田ら2017)。本研究では、体重の影響を受けにくい球技を専門とする女子体育大学生における、やせ志向と食習慣との関連を、韓国の女子体育大学生と比較することにより、明らかにすることを目的とした。[方法]調査は、2024年11月から2025年1月に、日本女子体育大学体育学部、ソウルのスミョン女子大学体育教育学部の学生に、アンケートを実施した。分析対象者は、224名(日本:177名、韓国:47名)とした。調査項目は、身長、体重、理想体重、やせ志向、食習慣、および食品多様性スコアとした。身長、体重から現状BMI、身長、理想体重から理想BMIを算出した。日韓の違いは、カイ二乗検定、t検定を用いて分析した。[結果]日本の現状BMI(21.6±2.1)は、韓国(20.6±2.4)より有意に高値を示した(p=0.013)。また、日本の現状BMIが18.5未満の者は4.5%で、韓国より少なかった(p<0.001)。食品多様性スコアは、日本(2.28±2.0点)が、韓国(1.19±1.68点)に比べて有意に高値を示した(p<0.001)。日本の朝食の摂取率は、80.1%であり、韓国より高かった(p<0.001)。やせ志向がある者は、日韓で有意な違いはみられず約70%程度だった(p=0.018)。また、理想BMIが18.5未満の者も、日韓で有意な違いはみられず約10~20%程度だった(p=0.059)。[結論]球技を専門とする日本の女子体育大学生は、韓国と比較し、やせている者が少なく、朝食の摂取率は高かった。このことから、日本の女子体育大学生に対して、食の多様性を促進し、過度なやせ志向の危険性を周知する必要があると考えた。
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