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[05バ-ポ-01]剣道競技における競技力と下肢筋力および筋力発生率(RFD)の関係性の解明

*西川 浩太郎1、鶴田 理1、桜井 伸二2 (1. 中京大学 スポーツ科学研究科 、2. 中京大学 スポーツ科学部)
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【背景】剣道競技では、正面打撃のパフォーマンス向上を目的とした研究が多く実施されている。Muraseら(2017)は、正面打撃時間を短縮させるために身体重心の平均速度を高めることや、踏み切り脚(左脚)の地面反力を大きくすることが重要であると報告している。また、剣道の踏み切り動作では、下肢3関節のトルク発揮の同期性を意識した「静から動」の動作を爆発的に行うことが重要であると報告されている(村瀬ら,2019)。これらのことから、正面打撃において下肢の筋力及びパワー発揮能力や筋力の立ち上がりの早さが重要であると言える。力の立ち上がりの早さを表す指標として、RFD(Rate of force development)がある。RFDは、単位時間あたりに発揮される筋力の変化率を算出した指標であり、競技力を示す重要な指標の一つである。しかし、剣道の競技力と下肢筋力およびRFDとの関係性は不明なままである。【目的】CON-TREXを用いて下肢3関節の筋力測定を行い、剣道の競技力と下肢筋力および筋力発生率(RFD)との関係性を明らかにする。【方法】対象者は剣道競技者31名(男子19名,女子12名)とした。CON-TREXを用いて、左足(踏み切り足)の下肢三関節の等尺性筋力を測定した。各関節における最大トルク、最大RFD、動作開始から各時点までの平均RFD(50ms,100ms,150ms,200ms,250ms)を算出した。競技力を示す指標は部内リーグ戦の結果とし、測定データとの関係性を調べるためにPearsonの積率相関係数を用いた。【結果・考察】女子競技者では股関節の最大トルクおよび250ms時点の平均RFDにおいて、有意な相関関係が見られた(p<0.05)。男子競技者では有意な関係が見られず、男女の競技特性の違いが影響した可能性がある。

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