講演情報
[05バ-ポ-05]速度変化を伴う移動視標に対するタイミングコントロール
*西面 智華1、藤原 素子2 (1. 奈良女子大学大学院、2. 奈良女子大学)
ゴール型球技では,移動している味方にタイミングよくパスを出す能力が重要である.しかしながら、常に自分が決定したタイミングでパスを出すことができるとは限らず,味方の速度変化に対応する,あるいはディフェンスの出現によって動作を停止・抑制することが必要な場面も多い.発表者らはこれまでに,実際のパス動作を用いて移動視標に対するタイミング一致課題を行い,昨年の本大会において報告した.しかしながら,パス動作は用いる関節の運動の自由度が高く,パスの軌道が一様でないことから,パスの成否に関わる要因の特定の困難さが課題となった.そこで本研究では,水平な台上を一定の軌道で移動する台車を用いて,移動視標に対するタイミング一致課題を行った.具体的には,視標の移動に合わせて肩関節水平屈曲,肘関節伸展および手指の伸展により1.7m前方の目標地点に向けて台車を押し出し,移動視標が終了地点に到達すると同時に台車を目標地点(視標の終了地点)に到達させることとした.移動視標の速度は,Fast(0.90m/s)とSlow(0.45m/s)の2種類を設けた.課題1(Normal課題)では,各速度(2条件)を定速条件とし,課題2(Changeable課題)では,課題1の2種類の定速条件に,SlowからFastおよびFastからSlowの加速/減速条件を加えた4条件を設けた.測定および分析は,各課題において,台車と移動視標のタイミング誤差時間,台車の移動時間,平均速度,ピーク速度を算出するとともに,右上肢の各関節角度変位、角速度、最大角速度、および各関節間の運動連鎖について分析する.さらに,右上肢4ヶ所(三角筋後部,上腕二頭筋,上腕三頭筋,指屈筋)から導出した筋活動について時間的・量的に解析する.これらの分析結果から,加速/減速条件における動作方略,また加速/減速条件の有無が定速条件に及ぼす影響について考察する.
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