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[04生-ポ-03]事前の軽負荷運動が伸張性運動後の筋損傷および動脈スティフネス及ぼす影響

*橋本 佑斗1,2、江崎 一希3 (1. 明治安田健康開発財団, 健康増進支援センター、2. 日本体育大学, 体育研究所、3. 日本体育大学大学院)
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【背景】高強度の伸張性運動は筋肥大や筋力向上に効果的であるが、運動後には著しい筋損傷と動脈スティフネスの増加が惹起される。一方、伸張性運動を行う前に軽い負荷の運動を行うことで、伸張性運動後の筋損傷は抑制される。本研究では、事前に行う軽負荷運動が伸張性動後の筋損傷だけでなく動脈スティフネスの増加を抑制するか検討した。【方法】対象は運動習慣のない若年男性とし、高強度伸張性レジスタンス運動のみ(ECC)群、事前の軽負荷伸張性レジスタンス運動実施(PEC)群、事前の軽負荷等尺性レジスタンス運動実施(PIS)群にランダムに分けた。すべての運動は10回6セットのアームカールとし、左右交互に実施した。高強度伸張性レジスタンス運動(HER)は最大挙上重量(1RM)の80%重量に設定したダンベルを用いて運動を実施した。PEC群およびPIS群は、HERの48時間前にそれぞれ伸張性および等尺性1RMの10%重量に設定したダンベルを用いて運動を実施した。筋損傷の指標は、肘屈曲最大等尺性筋力(MVC)を評価した。動脈スティフネスの指標である脈波伝播速度(PWV)は、中心(hbPWV)および全身(baPWV)を評価した。測定は運動前からHER 48時間後まで行った。【結果】HER前の各測定項目に群間差はなかった。ECC群とPIS群において、HER後のMVCは運動前と比較して運動直後から48時間後まで有意に低下した。一方、PEC群のMVCは運動前と比較して運動直後のみ有意に低下した。ECC群のbaPWVは運動前と比較してHER直後と48時間後に有意に増加し、hbPWVは運動前と比較して運動48時間後に有意に増加した。一方、PEC群とPIS群のPWVはHER前後で変化しなかった。【結論】事前の軽負荷伸張性運動は高強度伸張性運動による筋損傷と動脈スティフネス増加を抑制することが示唆された。

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