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[04生-ポ-07]月経周期が持久性運動時の血中I-FABPに及ぼす影響

*松田 知華1、山田 満月2、鰐渕 めぐみ3、山瀬 花3、須永 美歌子3 (1. 名古屋大学、2. 和光大学、3. 日本体育大学)
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【背景】持久性運動は、消化管傷害マーカーである腸型脂肪酸結合蛋白(I-FABP)を増加させることが報告されている。I-FABPと性差に関しては、これまで検討されてきたが、女性は月経周期を有している。月経周期に伴い、エストロゲンやプロゲステロンが約1ヶ月の周期で大きく増減するため、その影響を考慮する必要がある。しかし、月経周期に伴うこれらのホルモン動態が、運動時のI-FABPの変化に及ぼす影響については明らかとなっていない。【目的】月経周期が持久性運動時の血中I-FABPに及ぼす影響について検討した。【方法】健康な女性11名(年齢:20.4±0.6歳、月経周期:29.9±0.6日)を対象とした。卵胞期前期(E-FP)、卵胞期後期(L-FP)、黄体期(LP)にそれぞれ最大作業負荷容量の70%強度で60分間の自転車運動を実施した。運動前、運動終了直後、運動終了60分後に採血を行い、エストラジオール、プロゲステロン、I-FABP、コルチゾールを測定した。【結果】血清エストラジオールは、運動前、運動終了直後、運動終了60分後において、E-FPに比べてL-FPおよびLPで有意に高値を示した(p<0.01)。血清プロゲステロンは、運動前、運動終了直後、運動終了60分後において、E-FPおよびL-FPに比べてLPで有意に高値を示した(p<0.01)。血清I-FABPおよび血漿コルチゾールは、運動前、運動終了直後、運動終了60分後において、各フェーズ間に有意な差はみられなかった(血清I-FABP :p=0.38、血漿コルチゾール:p=0.07)。また、各フェーズおよび各測定ポイントにおける血清エストラジオールや血清プロゲステロンと血清I-FABPは、有意な相関関係がみられなかった。【結論】月経周期は、持久性運動時における血中I-FABPに影響を及ぼさないことが示唆された。

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