講演情報

[05バ-ポ-02]パンチスローで用いるメディシンボールの質量の違いが体幹回旋運動に関わる動力学的変数に与える影響

*石川 慎二1、北村 瑞望1、大塚 光雄1 (1. 日本体育大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード
メディシンボールを用いたトレーニングは、回旋系スポーツにおいて全身のパワー発揮を高めるために広く利用されており、比較的軽量な負荷を使用し、爆発的かつ動作特異的に実施されている。投動作中の体幹回旋運動は投球速度を決定する重要な要素である。そのため、メディシンボールを用いたパンチスローは、近年、野球をはじめとする回旋系スポーツで広く取り入れられている。そこで、本研究では、パンチスローで用いるメディンボールトレーニングの質量の違いが体幹回旋運動に関わる動力学的パラメータに与える影響を明らかにすることを目的とした。本研究の被験者は、男子大学野球選手3名であった。測定試技は、1kg、3kg、および5kgのメディシンボールを用いたパンチスローとし、それぞれ3試技実施するよう指示した。赤外線ハイスピードカメラ7台、フォースプレート2台、および加速度センサ1台を使用し、パンチスローを行う際の身体部分の座標位置、左右足に加わる床反力およびメディシンボールの加速度を測定した。その結果、3名の1kg試技のメディシンボールの水平パワーピーク値は797W、608Wおよび381Wであり(値は被験者#1、2、3の順。以下、同様)、3kg試技の931W、758Wおよび704W、5kg試技の788W、958Wおよび1072Wと比べて、高い訳ではないことが明らかとなった。一方、1kg試技における体幹の正の内旋ピークパワーは646W、436Wおよび392Wであり、3kg試技の568W、334Wおよび332W、5kg試技の418W、296Wおよび274Wと比べて、高かった。これは、体幹内旋パワーの最大化を目的としたパワートレーニングは、より軽いメディシンボールの使用が効果的である可能性を示唆するものである。しかし、本研究のサンプルサイズは小さいことから、今後の課題として、被験者数を増やした上での解釈が必要である。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン