講演情報
[04生-ポ-10]運動誘発性筋損傷後のアイシングが卵胞期女性の炎症反応に与える影響
*舟喜 晶子1、須永 美歌子2 (1. 帝京科学大学、2. 日本体育大学)
【背景】月経周期は運動誘発性筋損傷後の炎症反応に影響を与え、我々はエストラジオール(E2)およびプロゲステロン(P4)濃度が低い卵胞期は黄体期と比較し、伸張性運動後の好中球数の変化率が高いことを明らかにした(Funaki A et al. 2022)。一般に炎症を抑制するための対策としてアイシングが用いられているが、月経周期に伴うコンデションの変化に対する効果は明らかになっていない。【目的】卵胞期の女性における運動誘発性筋損傷後のアイシングが炎症反応に与える影響について明らかにすることを目的とした。【方法】運動習慣のない卵胞期の女性16名を対象とし、非利き腕上腕屈筋群の伸張性運動を6回×10セット行った。運動終了後、15℃(冷却群8名)または室温(25℃: 対照群8名)のPhase change material(PCM)を上腕前面の皮膚に3時間当てた。皮膚温を運動前、運動直後、運動45分、1時間半、2時間15分、3時間、4時間、48時間、96時間後に測定した。運動前、運動4、48、96時間後に採血を行い、運動前の血清E2、P4濃度および運動前、運動4、48、96時間後の血清クレアチンキナーゼ(CK)活性、白血球数、白血球像を測定した。【結果】皮膚温は両群とも運動前と比べ運動直後に増加し、アイシング中(運動45分から3時間後まで)の平均皮膚温は対照群(33.8±0.5℃)と比較し冷却群(22.1±0.9℃)で低値を示した(p<0.05)。運動前の血清E2およびP4濃度は両群間に差は認められなかった。CK活性は両群とも運動前と比較し運動96時間後に増加した(p<0.05)。好中球数は冷却群において運動4時間から48時間後に低下した(p<0.05)。【結論】15℃のPCMによるアイシングは卵胞期の女性における運動誘発性筋損傷48時間後の好中球数を減少させる可能性が示唆された。
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