講演情報
[11教-ポ-24]陸上運動系領域の授業における「記録」の教育的活用に関する検討
*北澤 太野1、山本 大輔1 (1. 天理大学)
「走る」「跳ぶ」「投げる」といった運動を扱う陸上運動系領域の授業は、シンプルな活動のなかで、自己の身体的卓越性を示したり、運動の質を高めたりできる。また、「タイム」や「距離」といった記録によって、技術習得やパフォーマンスの成果を可視化し、自己の能力に応じた課題に挑戦したり、仲間と競い合ったりする楽しさや喜びを味わうことができる。このような特性から、スポーツ活動を支える基礎的・基本的な動きや技能の向上、運動感覚の洗練といった学習成果が期待されている。一方で、当該領域では記録の向上が重視されすぎることで、単調なトレーニングや記録測定に終始する授業も散見される。こうした授業は、学習内容や学習過程が十分に構造化されないまま進められることが多く、数値化された成果が学習者間の能力差を顕在化させ、学習者が「できない自分」を確認・再確認する状況を不用意に生み出す危険性を孕んでいる。しかし、本来、記録は単なる結果としてではなく、学習者が自己の運動の変容を把握し、課題を明確化するとともに、次の学習へとつなげていくための重要な情報として機能し得るものである。したがって、当該領域において記録をいかに位置づけ、活用するかは、授業設計上の重要な課題である。とりわけ、当該領域に関わる学習内容を焦点化し、学習者が身体操作や運動の変化を捉えながら、技術習得や運動の改善へとつなげていくための契機として、記録をどのように活用し得るのかについて検討する必要がある。以上を踏まえ、本研究では、陸上運動系領域に関する実践研究を概観し、各種「記録」を含むパフォーマンス結果の扱い方や配慮について検討する。これらを通して、今後の陸上運動系領域の学習指導のなかでも、学習者の「わかる」「できる」「かかわる」につながる授業設計について議論するための手がかりを得たい。なお、詳細は、大会当日に報告する。
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