講演情報

[11教-ポ-31]幼児体育版組織的観察法を活用した研修による保育者の成長Kolbの経験学習モデルに基づいた検証

*川戸 湧也1 (1. 三重大学)
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本研究の目的は,幼児教育における体育的活動(以下,「幼児体育」と省略する)の過程分析を目指して作成された組織的観察法を用いた研修によって保育者が獲得した気づきや学びについて,質的研究を通して検証することであった.従来から体育科教育学領域で開発・活用されてきた組織的観察法の枠組みは,小学校以上において実施される体育授業が想定されてきた.しかし近年,幼児体育を分析するための枠組みが開発されてきた.この枠組みは幼児体育を担う保育者の成長を意図して開発されたが,その貢献,すなわち保育者の成長について検証がされていなかった.本研究はこの点を検証することとした.
 本研究の手続きについて,保育者(N=3)に自身が実施した幼児体育実践を動画で撮影してもらい,本研究者に共有してもらった.当該動画を幼児体育版組織的観察法に基づいて本研究者および研究協力者が分析した.そのレポートについて結果の解釈について保育者にフィードバックするとともに次の実践に向けた協議を実施した.さらに2回目の実践についても同様の手続きで動画を撮影,分析,フィードバック,協議という一連のプロセスで研修を実施した.この一連の手続きの前後に保育者を対象とした半構造化インタビューを実施した.得られた発話を逐語録化し,テーマティック・アナリシス法を用いて分析した.さらに,Kolbの経験学習モデルを理論的枠組みに据え,研修を通した保育者の省察の質的変容と成長プロセスについて検討した.
 本研究の結果,幼児体育板組織的観察法を用いた研修を通して「具体的経験の自己客観化」「自身の実践の構造的把握」「相互作用行動の質的変容」が認められた.さらに制作活動等の他領域における説明の簡潔化や対話の改善にも転移しており,本分析枠組みが保育実践全般のマネジメント能力を向上させる「抽象的概念化」のツールとして有効であることが示唆された.

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