講演情報
[11教-ポ-33]準備運動の改善を契機とした小学校教師の体育授業観の変容プロセス教師のAARサイクルを分析の枠組みとしたアクションリサーチ
*石塚 諭1、梅澤 秋久2 (1. 宇都宮大学、2. 横浜国立大学)
体育授業において準備運動は重要な位置を占めるが、先行研究では、目的の形骸化等が指摘されてきた。本研究は、準備運動の改善という具体的な実践を契機として、教師の体育授業全体に対する省察を促し、授業や児童への捉え方がどのように構造変容していくのか、そのプロセスを明示することを目的とした。方法として、特定の現場の問題解決を目指すアクションリサーチを採用した。調査対象者は、小学校第6学年を担任する教歴6年目の男性教諭1名であり、ベースボール型の単元(全8時間)を対象とした。データは、参与観察によるフィールドノーツ、授業実践後のカンファレンス、授業者インタビュー、形成的授業評価等から収集した。分析にあたっては、インタビューやカンファレンスの逐語録をデータとし、教師の認知変容を捉える枠組みとしてOECD(2019)が提唱する「AARサイクル」を適用して、質的に検討した。
分析の結果、単元初期の授業者は、慣習的な方法への違和感から運動内容の工夫そのものに主眼を置く段階にあった。しかし単元中盤になると、教師自身が児童の動きの課題を把握し、即興的なルール調整へと生かす姿がみられた。これは準備運動の工夫を通じ、授業者が児童の事実を基に省察し、次時の授業を見通すという教師のAARサイクルのプロセスと捉えることができる。さらに単元後半では、ゲーム理解の深化など主運動に関する語りが増加し、教師の関心が授業全体の学習過程へと広がったことが確認された。
以上により、準備運動の改善を精緻に行う省察の過程は、単なるスキルの習得に留まらず、児童の具体的な姿を基盤として授業全体を即興的に構想・調整していくという、教師の授業観そのものの構造的な変容を導く可能性が示唆された。
分析の結果、単元初期の授業者は、慣習的な方法への違和感から運動内容の工夫そのものに主眼を置く段階にあった。しかし単元中盤になると、教師自身が児童の動きの課題を把握し、即興的なルール調整へと生かす姿がみられた。これは準備運動の工夫を通じ、授業者が児童の事実を基に省察し、次時の授業を見通すという教師のAARサイクルのプロセスと捉えることができる。さらに単元後半では、ゲーム理解の深化など主運動に関する語りが増加し、教師の関心が授業全体の学習過程へと広がったことが確認された。
以上により、準備運動の改善を精緻に行う省察の過程は、単なるスキルの習得に留まらず、児童の具体的な姿を基盤として授業全体を即興的に構想・調整していくという、教師の授業観そのものの構造的な変容を導く可能性が示唆された。
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