講演情報
[11教-ポ-37]小学校体育授業における学習者の自己調整学習を促す授業実践多様な学習者を包摂する教師行動に着目して
*眞野 杏里1、梅澤 秋久2 (1. 横浜国立大学 大学院、2. 横浜国立大学)
中央教育審議会(2025)は次期学習指導要領に向け「学びに向かう力・人間性」を4つの要素で構造的に整理し、その1つとして「学びの主体的な調整(=自己調整学習)」を位置づけた。自己調整学習(Zimmerman, 2007)の段階モデルは学習過程を①予見段階、②遂行段階、➂自己省察段階の3つに分類している。つまり、試行錯誤を繰り返しつつ、適切な省察に基づく見通しをもって実行する自己調整学習が重要となる。また、梅澤ら(2020) は、画一的な到達目標が設定される「目標-達成-評価」型の行動主義的な教育から「主題-探究-表現」型の構成主義的な教育への転換により、多様な「ちがい」を当然のように受け入れられる人間性の涵養を目指す必要性について言及している。以上より、体育科においては「問い(=主題)と答えの間が長く試行錯誤のある学習」(石井, 2025)すなわち自己調整学習の過程において、多様性を包摂しつつ互いの技能が次第に高まるような協働探究が求められるであろう。そこで、本研究では小学校体育授業における多様性を包摂する自己調整学習を促進する教師行動の在り方を検討することを目的とした。 A大学附属B小学校第6学年を対象に、ボール運動(ゴール型)の実践を行った。単元前後の質問紙調査をt検定で分析した結果、「遂行段階」の「先生への援助要求」因子、とりわけ質問項目8について、単元後の方が前よりも有意に低下した(p<.05)。単元末のふり返りを共起ネットワーク分析した結果、単元初回と単元最終回を示す語群に構造的な差異がみられた。教師行動に着目したエピソード記述分析の結果、戦術的な理解・深化を促す「発問」や「フィードバック」(高橋, 1994)が見られた。学習者の「シュートの成功・失敗に固執する姿」から「突破に向けた学びの主体的な調整・協働探究を行う姿」への変容が見られた実践であったと考察される。
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