講演情報

[11教-ポ-39]現職教員と学生による保健体育科模擬授業づくり会議におけるメンター的教師の支援機能の展開現場教師の発話分析から

*白川 敦1,3、中島 寿宏2 (1. 北翔大学 生涯スポーツ学部、2. 北海道教育大学札幌校、3. 北海道教育大学共同大学院博士後期過程)
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【背景・目的】
 教員養成課程において、模擬授業は学生の授業構想力や実践力を育成する重要な学習機会である。特に保健体育科では、教材や学習過程を具体化する力が求められる。近年、現職教員との協働的な授業づくりの実践も報告され、その関与は学生が授業実践力の課題を知覚する契機となることが示されている(川戸ほか、2022)。しかし、現職教員が学生の授業づくりにどのように関与し、支援機能がどのように展開するのかは十分に明らかでない。そこで本研究では、保健体育科模擬授業づくり会議における現職教員の関与を検討する。
【方法】 
 本研究では、北海道内の教員養成系大学が参加する模擬授業交流会の授業づくり会議を対象とした。対象者は、学生の模擬授業づくりをメンター的役割で協働的に関わった現職教員9名である。会議はオンラインで実施され、録画・録音データを逐語化した。総会議時間は2,145分、分析対象文字数は218,640字であった。分析では、現職教員の発話から挨拶など事務的発話を除外し、授業づくりの前半・中盤・後半における支援機能の展開をKJ法を援用して分析した。
【結果及び考察】
 会議の展開に応じて以下の3つの支援機能が抽出された。前半では「授業目標の焦点化」や「教材の簡易化」など、学生の授業イメージを具体化する〈構想形成支援〉。中盤では「評価の具体化」や「発問の精緻化」など、指導案を授業場面で機能させる〈実践可能化支援〉。後半では「時間配分の調整」や「不測の事態への対応」など、授業成立を支える〈遂行支援〉であった。
 以上から、現職教員の関わりは学生の抽象的な授業案を段階的に実践可能な授業へ変換するメンタリングとして機能していた。特に、各局面で現場感覚に基づく発話が確認されたことから、実際の児童生徒を対象としないために省察の視点が限定される(日野・谷本、 2009)という模擬授業の課題を補完する可能性が示唆された。

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