講演情報

[会員企画10-4]中長期的に変化する心理的Vitality

*村上 嘉野1 (1. 立命館大学)
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<演者略歴>
博士(スポーツ健康科学)。現職は立命館グローバル・イノベーション研究機構・専門研究員。運動生理学を専門とし、身体活動・運動がWell-being向上に寄与する心理・生理学的機序解明に向けた研究を行っている。
主観的に評価されるWell-being(最適な個人・社会的機能状態;以下、WB)は、学業成績や仕事のパフォーマンスの高さと関連するだけでなく、将来的な疾患リスクの低下にも寄与する健康保護因子である。したがって、健康でVitality(活力)の高い状態を実現し、WBを高めるアプローチの確立は重要である。これまで身体活動はWBの高さと関連することが多くの研究で示されてきたが、習慣的な運動が中長期的なWBの変化に及ぼす効果や、その効果の個人差を説明する要因については十分に明らかにされていない。そこで我々は、精神的健康リスクが高い属性である若年成人36名を対象に、心身の疲労・回復状態を反映する客観的指標として心拍変動(HRV)を日々測定し、その個人内変動に基づいて運動負荷を増減させる個別化運動手法(HRVガイドトレーニング;HRVG)がWBに及ぼす効果を検証した。週3日、8週間の介入の結果、HRVGを実施した群では、介入後にWBが向上した一方、同等の運動量であっても、HRVに基づく回復状態を考慮せず一定負荷の運動を継続した標準的なトレーニング群では、WBの低下が認められた。これらの結果は、運動による中長期的なWB向上には、単に運動量を確保するだけでなく、その時々の疲労・回復状態に応じて負荷を調整することが重要である可能性を示している。働き世代を含む多くの人々が何らかの疲労を抱えながら生活する現代において、心理的Vitalityを高める運動とは何かを考える上で、本知見は重要な示唆を与える。本発表では、これまでの研究知見を踏まえ、中長期的に心理的Vitalityを高める運動のあり方や今後の展望について議論する。

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