講演情報
[競技スポーツ-A-09]目標は能力を向上させるのか?(測,コ)競泳の標準記録を用いた自然実験
*林 良平1 (1. 高知工科大学)
一般的に、個人は具体的な目標を持っている方が努力しやすい。政策立案者は、人々の能力を効率的に向上させるためにどのような目標を設定できるかを理解する必要がある。本研究では、競泳の競技データを用いて目標の影響を測定した。日本の高校生水泳選手全員が出場を目指す日本高校選手権には、参加標準記録が設けられている。これらの標準記録は外生的に設定され、毎年更新される。本研究では、この標準記録を既に達成している選手と達成していない選手の間で、記録の伸び率に違いがあるかどうかを検証した。分析には、2013年から2019年までの本選と地区大会、その都道府県予選大会に出場した約97,000人の水泳選手のパネルデータを用いた。分析の結果、昨年の同大会での記録が今年の標準記録を下回っている選手と上回っている選手の間で、成長に違いは見られなかった。また、水泳選手の現在の記録と標準記録の差の重要性、および性差の影響についても検討した。本研究の結果は、入学試験、就職試験、資格試験といった選抜基準を人々の能力向上に活用しようとする考え方の正当性に疑念を抱かせる。
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